マルチサイクル・デザインの時代 ~100年ライフのキャリアを考える~分析2 役割に虫眼鏡をあててみた(5)

分析②-5

彩り豊かなキャリアを歩むために、
鍵となるステージと役割があります。

「広げる」と「深める」を繰り返しながらステージを積み重ねていくマルチサイクル・デザインの時代。人々は、これまでより多くのステージを経験していくことが予想されます。そうなった時、広がりのある豊かなキャリアを歩むためには、「次のステージを多くの選択肢から選べる」ということが重要になります。

前ページで紹介した2つの役割変化パターンでは、ステージ③で役割が分かれましたが、実はこのステージ③にどの役割を担うかは、重要なポイント。このステージでのリーダーの役割とプロフェッショナルの役割は、次のステージへの選択肢がとても多い役割であることがわかりました。左の図のように、リーダーの役割からは5つのパスが、プロフェッショナルの役割からは3つのパスが、ステージ④の役割にのびています。これは、ステージ③でリーダーの役割を経験した人は、次のステージでマネジャー・アドバイザー・フロントランナー・プロフェッショナルの役割に移行しやすいことを示しています。

こうしたキー役割はステージ③に限ったものではありません。ステージ①のプレイヤー、ステージ②のリーダー、ステージ④のプロフェッショナル・フロントランナー・アドバイザーが次ステージの選択肢が多い役割だとわかっています。

私たちがお伝えしたいのは、単に「ステージ③ではリーダーの役割を担いましょう」ということではありません。もちろん、このステージのリーダーの役割は、次の選択肢が多いことは事実です。しかし、より重要なことは、次のステージを意識して新たな役割を担う時、「この役割を担って経験できることは、自分自身のキャリアにどのような幅をもたらすか」と考えることではないでしょうか。

text:津田郁
「マルチサイクル・デザインの時代」レポートPDF版