マルチサイクル・デザインの時代 ~100年ライフのキャリアを考える~分析3 学習行動のつながりを探ってみた(1)

分析③-1

学習行動のつながりを探ってみた

100年ライフのキャリアは変化の連続です。キャリア曲線の変曲点を迎えた時、次のステージで新たな役割を担う時、転機を迎えた時。そうした機会のすべてにおいて、新たな学習が必要となります。同じ仕事をしていたとしても、求められるレベルが変化すればおのずと新たな学習を行っている人もいることでしょう。学習は、マルチサイクル・キャリアの最重要テーマです。

では、100年ライフのキャリアをデザインしていくためにはどのような学習が必要なのでしょうか。「キャリア展望」を開かれたものにするためには、どのような「学習行動」を積み重ねていくこと重要なのでしょうか。研修に参加したり、社会人大学院に通ったりすることだけでなく、仕事の中での実践的な学習も多くあるはずです。そこで、学習の概念を幅広くとらえ、社外セミナーや勉強会への参加といった「学校型学習」、社内外の人との交流による「対人型学習」、自分の生き方・働き方を考える「内省型学習」、仕事に取り組む中での「経験型学習」の4つの「学習行動」を分析フレームの中核に置くこととしました。

分析ポイントの1つめは、「学習行動」は、その後のキャリアにどのようにつながっているのか。具体的には「学びスタイル」の形成との関係、次のステージでの役割との関係を見ていきます。2つめは、どのような経験が「学習行動」につながるのか。具体的には、仕事以外の社会的役割との関係、そして、転機との関係を見ていきます。

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text:辰巳哲子
「マルチサイクル・デザインの時代」レポートPDF版