マルチサイクル・デザインの時代 ~100年ライフのキャリアを考える~分析1 キャリア曲線を5つに分類してみた(5)

分析①-5

タイプⅣは「マルチサイクル」。
「広げる」と「深める」を繰り返す41.6%の最大勢力。

タイプⅣは「マルチサイクル」。「広げるゾーン」と「深めるゾーン」との間を2回以上行き来しているタイプです。私たちが平成型と仮説立てしたタイプとみられます。比率は41.6%と最大勢力。

「広げる変曲点」の平均値は3.7、「深める変曲点」の平均値は2.7。これまでの3つのタイプとは大きく異なることがこの数字からも読み取れます。4回弱広げて、3回弱深める、そして広げるの次は深める、深めるの次は広げる、という変化を繰り返す激しさが読み取れます。やはり、マルチサイクル・キャリアは数多く生まれていました。

ステージ数はやはり多くなっています。変化が激しさを表した結果です。転機の頻度はタイプⅢとさして変わりませんが、やはり多めです。男性が多くを占め、平均年齢も5タイプの中で最も高くなっています。

レーダーチャートに目を転じると、「学びスタイル」スコアの高さが目を引きます。「実践型学び」「体系型学び」「学び習慣」がしっかりと確立されていることが見て取れます。激しい変化への対応が、そのようなスタイル確立をもたらしたのかもしれませんし、そのようなスタイルを初期から持っていたから変化に対応できたのかもしれません。そうした経緯も手伝ってか、「キャリア満足」のスコアはまずまず高いものとなっています。しかし、「キャリア展望」スコアはさして高くありません。再び訪れるであろう「予期できない変化」に対して、慎重に構えているのでしょうか。それとも、「広げると深めるを繰り返す」だけでは、何かが足りないのでしょうか。探索する必要がありそうです。

text:豊田義博
「マルチサイクル・デザインの時代」レポートPDF版