HR Tech Roundup  海外のHRテクノロジー最新ニュースAdzunaが新機能のAI面接コーチ「Prepper」を発表、米Indeedが非大卒者の就職を支援、ほか

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Adzunaは、面接で聞かれる可能性の高い質問をAIが自動生成するAI面接コーチ「Prepper」を製品化した。
Indeedは、非大卒者がNPOやコミュニティカレッジ主催の職業訓練で得たスキルや資格をアピールできる「Skill Connect」を追加した。
またWorkday は、業務委託や派遣労働者などの外部人材を管理するベンダー管理システム「Workday VNDLY」を発表した。

  • 【機能・サービス】

    Adzuna、新機能のAI面接コーチ「Prepper」を発表

    英国発の求人検索エンジンのAdzunaは、新機能のAI面接コーチ「Prepper」を発表した。求職者が職種、仕事内容、会社名を入力すると、大規模言語モデル(LLM)やAdzuna独自のデータと専門知識をもとに、AIが面接で聞かれる可能性の高い5つの質問を生成する。求職者が回答案を入力すると、AIがフィードバックと改善案を提示する。JDPの調査によると、求職者が面接で最も不安なのは「難しい質問に答えられない(41%)」である。(6月13日 Adzuna)
    https://www.adzuna.co.uk/blog/adzuna-launches-ai-interview-coach-prepper/


    Indeed、非大卒者の就職を支援する「Skill Connect」を発表、NPOと提携

    Indeedは5月に「Skill Connect」を発表した。これは、大卒ではない求職者が、NPOやコミュニティカレッジ(Per Scholas、Year Up、Austin Community Collegeなど)主催の職業訓練で得たスキルや資格を企業にアピールできるサービスである。スキルや資格の情報をIndeed Resumeに自動入力できる、履歴書作成のガイド機能がある。特定のスキルをもつ人材を求める企業と求職者をマッチングする。
    米国国勢調査局(2023年2月発表)によると、米国では成人の62%が学士号を保有していない。また、Indeedの調査では、求職者の64%は、そのほかの要件を満たしているにもかかわらず、職務記述書に記載する学位がないために、不採用となったという。求職者は、企業が選考時に「経験(83%)」「キャリア・スキル証明書(72%)」「スキルアセスメントの結果(65%)」の要件を考慮すべきと考えている。(5月22日 Indeed)
    https://www.indeed.com/press/releases/indeed-helps-people-without-college-degrees-get-jobs-with-skill-connect?co=US


    Workday、増加する外部人材を管理するツール「Workday VNDLY」を発表

    Workday は、業務委託や派遣労働者など外部人材を管理するベンダー管理システム(VMS)の「Workday VNDLY」を発表した。Workdayは2021年にVNDLYを5億1000万ドルで買収した。VMSの市場規模は、2260億ドルである。
    Workday VNDLYを使うことで、企業は外部人材の人数や所属する部署、拠点、携わるプロジェクトの内容、報酬などの情報を瞬時に把握できる。
    Staffing Industry Analysts(SIA)の報告書「VMS Global Landscape & Differentiators 2022」によると、従業員数1000人以上の企業のVMS導入率は2009年時点では50%強だったが、2022年には80%に上昇し、2023年はさらに17ポイント上昇すると予想されている。企業は、コスト削減や外部人材の調達の効率化などに、VMSを利用している。また、VMSの利用企業を業種別に見ると、金融・保険(20%)やIT・通信(14%)で多かった。従業員規模では、フルタイム従業員2000人未満の企業で最も利用が多く、全体の43%を占めている。
    Workday VNDLY共同ゼネラルマネジャーのシャシャンク・サクセナ氏は、「フォーチュン500企業の労働力に占める外部人材の割合は平均36%だが、2027年までに50%に上昇する見込みで、より柔軟な人材配置に移行する企業が増えている」という。(5月9日 HR Executive)
    https://hrexecutive.com/as-contingent-workforces-grow-workday-unveils-new-tool-to-assist-hr-vms/

  • 【M&A】

    ATSのComeetとビデオ面接プラットフォームのSpark Hireが合併へ

    中小企業向けATS(応募者追跡システム)のComeetは、ビデオ面接プラットフォームのSpark Hireとの合併を発表した。これにより、ビデオ面接機能の追加や、ソーシングやAIを活用した自動化の強化、ユーザーエクスペリエンスの改善などを図る。Comeetの顧客はKPMG、Fiverr、Monday.comなどである。
    Spark Hireは、プラットフォームの使いやすさや、優れたカスタマーサポート、透明性の高い価格設定などに定評があり、これまでに6000社超の企業が100カ国超の人材の面接に利用している。
    両社の顧客数は7000社を超える。両社は今後、双方の技術を組み合わせ、より包括的な製品の提供を目指す。(6月8日 Comeet)
    https://www.comeet.com/resources/blog/comeet-and-spark-hire-merge


    ATSのFountain、Clevyを買収

    時給制労働者の大量採用に特化したATSのFountainは、フランスの従業員体験向上プラットフォームのClevyを買収した。Clevyは、人事に関する社内問い合わせの対応や申請・承認などの業務を自動化する。顧客はDanone、Sanofi、Capgeminiなど350社以上。
    Fountainは3月に、チャットボットがWhatsAppやショートメッセージ経由で、応募者のスクリーニングや面接日時の調整、データ収集を自動で行う対話型AI機能「Fountain AI」を追加した。この買収により、AI機能を強化し、時給制労働者の採用業務の効率化を促す機能を拡充する。(6月7日 Fountain)
    https://www.fountain.com/news/fountain-acquires-clevy-to-further-advance-ai-for-hourly-hiring

  • 【資金調達】

    Swing EducationがApax Partners などから3800万ドルを資金調達。資金は、事業対象地域の拡大などに充てる。教員不足の学校と代替教員をつなぐオンラインマーケットプレイスのSwing Educationは6月現在、カリフォルニア州、アリゾナ州、テキサス州、イリノイ州、ニューヨーク州、ニュージャージー州、ワシントンD.C.で事業を展開し、2800校以上のK-12(幼稚園から高等学校までの教育機関)と提携している。
    2022/2023年度には、公立学校の45%が教員不足に直面している。Swing Educationは、精度の高いマッチング機能と専任カスタマーチームにより、人手不足の解消をサポートしている。
    https://www.apax.com/news-views/swing-education-raises-38-million-in-series-c-funding/

TEXT=杉田真樹