リモート・マネジメントモデルはじめに

メンバーの過半が目の前にいない状態で、マネジャーはどのようなマネジメントを展開すればよいのか?
2020年3月現在、新型コロナウイルス感染症問題によって在宅勤務を進める企業が急増している。コロナの問題は一時的なものだが、テレワーク(リモートワーク)は今回を契機として今後一気に進む可能性がある。そこでリモート・マネジメントの在り方を検討してみることにしたい。

以前より目の前にメンバーがいないときにどうすれば業績推進や人材育成をうまく行えるか、という問いは存在していた。その結果、スパン・オブ・コントロールを調整する、つまりメンバー人数を適性範囲に収めることが推奨されてきた。おおよそ5人以下、最大でも7~8人が限界ということが、厳密な科学的根拠はないが、語られてきたことである。その背景には、フェイス・トゥ・フェイスでないところでマネジメントすることは難しく、また、メンバーが多くなると一部のメンバーとの間だけにコミュニケーションが偏ってしまうという問題があった。

今回研究するリモート・マネジメントモデルをうまく活用することができれば、目の前にいないメンバーを、フェイス・トゥ・フェイスと同様に、もしくはそれ以上にうまくマネジメントできる可能性があり、またスパン・オブ・コントロールを広げられる可能性がある。