HR Technology 2019ブランドマネジメント

インターネット上の情報を管理

Brand Management
代表的なサービス

ブランドマネジメントは、企業に関するインターネット上の情報を管理したり、社員が求職者とチャットで交流するプラットフォームを提供する。具体的には、下記のようなサービスがある。

  • インターネット上に掲載されている企業や個人に関するネガティブな情報を特定・削除し、イメージアップにつながるブログや企業ページを作成して検索結果の上位に表示させるネット上の評判管理サービス(BrandYourself)
  • 企業の採用情報サイトやSNSの企業ページで、社員やリクルーターが求職者の質問に答えたり、オファー内容について候補者の相談に乗ったり、内定者をフォローし内定辞退を防ぐチャット用プラットフォーム(PathMotion、Brazen、FlashRecruit、Meet & Engage)
  • 求人情報、新商品のリリース、調査レポート、ブログ記事など、従業員に各自のSNSアカウント経由でシェアしてほしい社内承認済みのコンテンツを1カ所に集約したプラットフォーム(PostBeyond)
  • 学生の就職先人気ランキング調査などを行い、効果的な採用ブランドの構築に関するアドバイスや人事・採用担当者向け講習を提供するコンサルティング会社(Universum)
  • 写真や動画などを活用し、企業の個性を伝えることに重点を置いた求人求職サイト(The Muse)

人事との関連性

企業のことを最もよく知る社員が、企業の特徴や社風に関するリアルな情報や実体験を求職者に自分の言葉で伝えることで、企業のトップや広報部が作ったありきたりなメッセージよりも説得力が増し、コンバージョン率がアップする。また、求職者は自分に合った企業なのかを応募前に見極められるため、採用のミスマッチを減らすことができる。

サービス例

1.BrandYourself:テクノロジーでネット上の情報を管理

消費者などからの苦情、マスコミのネガティブな報道、不適切な画像や動画といったインターネット上の好ましくない情報を特定・削除する企業および個人向け評判管理サービス。イメージアップにつながるブログやSNS用企業ページを作成し、検索結果の上位に表示されるよう継続的にSEO対策を行い、ネガティブな情報が閲覧される確率を減らす。エンプロイヤーレビューサイトのGlassdoorから企業に関するネガティブな投稿が掲載された場合、それを削除することはできないが、代わりにブランド戦略のプロが各企業に合った対策を立て、プロのライターが批判的な口コミに対する適切な返信内容を提案する。自分の氏名を入力し、SNSの個人アカウントを登録すると、システムが氏名をもとに個人に関するインターネット上の情報を検索し、レピュテーション(評判)リスクをスコアで表す個人向けの無料サービスも提供する。ユーザー数は100万人を突破(2018年4月時点)。シラキュース大学やジョンズ・ホプキンス大学なども同サービスを導入し、学生に無料で提供している。

2.Meet & Engage:企業や大学向けチャットプラットフォーム

英国の会社。会社の魅力を伝える「ブランドアンバサダー」として選抜された従業員が求職者にストーリーを伝えたり、質問に対応するSaaS型チャットプラットフォーム。グループチャットと1対1のチャットに対応。候補者の惹きつけからオンボーディングまで採用プロセス全体で活用できる。チャット専用のページは、会社のロゴを挿入したり、背景の画像や色を自社のブランドに合わせて変更するなど、カスタマイズ可能。チャットイベントの参加者と開始時間まで待つ「ロビー」でコンテンツを共有し、候補者体験を高める。また、イベント中に動画、写真、パワーポイントなどの資料、音声を参加者と共有したり、アンケートで感想などを収集し、NPS(顧客ロイヤリティを数値化する指標)を測る機能もある。顧客はBank of England、Fidelity Investments、Capco、Diageo、ロンドン大学シティ校など。

3.The Muse:35歳以下の若者の利用が多い求人求職サイト

各企業の特徴や個性を際立たせ、それを十分理解した求職者による応募を促進する求人求職サイト。最近では、会社のことを最も良く知る従業員から、アンケート調査で会社の特徴や社風に関するリアルな声を収集する企業向けデータ収集ツールBrandBuilderの提供を開始した。従業員が職種名と仕事内容、社内での経験、会社の特徴、会社のどんな所が好きかといった質問に答える。企業のトップや人事部は、会社の特徴や個性について従業員がどのような形容詞を使い、どのように表現しているか、従業員の声から拾った豊富なデータもとに、求職者の心に響く自社らしさや自社の価値を把握できる。顧客はDeutsche Bank、Philips、Goldman Sachs、BMW、IBM、Unilever、Mastercard、AT&T、Dropbox、CapitalOneなど。

ビジネスモデル(課金形態)

1.企業または個人がサービス利用料をサービス事業者に支払う
企業または個人が、企業または個人に関するインターネット上の情報を管理するサービスを受ける対価として、料金をサービス事業者に支払う(BrandYourself)。

2.企業がシステム利用料をサービス事業者に支払う
企業が、社員と求職者がチャットで交流するシステムの利用料をサービス事業者に支払う(Brazen、PathMotion)。

3.企業が採用ブランディングに関するサービス利用料をサービス事業者に支払う
企業が、効果的な採用ブランド構築についてのアドバイスを得るコンサルティング料、採用ブランディングに関する最新ニュースやマーケット分析レポートを受け取り、会員向けイベントに参加できる採用・人事担当者向け会員制度の会費、採用ブランディングの構築法について学ぶ人事や採用担当者向けの講習参加費、求職者が特定の企業について持つイメージや雇用主としての強みや弱みを分析し、競合他社と比較した調査レポートの作成料金を支払う(Universum)。

今後の展望

インターネット経由で誰もが良い情報も悪い情報も簡単に拡散できる時代。就職先や転職先を検討する際にネット上の情報を参考にする求職者は多い。ネット上の情報や評判は、企業の採用ブランド、そして採用活動の成果に大きな影響を及ぼす。ネット上の情報をうまく管理し、また社員が求職者と直接交流し、エンゲージメントを高めることができるブランドマネジメントサービスのニーズは大きい。

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