HR Technology 2019行動アセスメント

ハイパフォーマーに共通する特性を分析

Behavioral Assessment
代表的なサービス

心理テストやスキルテストだけでは測定が難しい、求職者の採用後の行動を予測するためのアセスメント。高い業績を上げている社員を対象に行ったアンケート調査から共通する特性を分析して、理想の人材像を職種別に明らかにする。この結果をもとに、応募者向けアセスメントテストの設問を作成し、AI技術で理想の人材像に近い求職者を特定する「predictive hiring(予測採用)」などがある。
最近ではゲームを利用したアセスメントサービスが増えており、求職者はモバイル端末にアプリをダウンロードしてゲーム形式のアセスメントテストを受けることも可能である。

人事との関連性

行動アセスメントは、学歴、職歴など従来の指標では予測できない、求職者の対人対応力、業務への適性、企業文化との適合性、将来の行動予測などの要素を数値やグラフで分かりやすく示す。人事は、アセスメント結果をソーシング、スクリーニング、面接ガイドライン作成の資料として利用することで、採用の精度・効率をアップできる。ゲーム形式のアセスメントテストは、モバイル端末の利用が生活の一部になっている若年層にもアピール力が強いツールである。

サービス例

1.Arctic Shores:ゲーム形式のアセスメントテスト・プロバイダー

英国の会社。サイコメトリックアセスメントと予測分析をAI技術と組み合わせた採用ツールで、求職者の認識能力、性格、態度、EQ(心の知能指数)などを測定する。特定の職種に合うようにカスタマイズが可能。顧客企業に専属の職業・ビジネス心理学の専門家を派遣して、それぞれの企業の従業員が持つ特徴を測定し、アルゴリズムを構築する。求職者はゲームをする感覚でタスクに自発的に反応するため、企業は求職者の実際の判断や言動を知ることができ、経歴や年功などに惑わされずに真の能力や適性を見抜くことが可能になる。アセスメントテストで測定するのは、感情(自分の感情をどうコントロールするか、他人の感情をどのように理解するか)、適性(仕事およびトレーニングにおけるパフォーマンスの最重要予測因子)、認識(行動をとるために、個人がどのように情報を処理し利用するか)、思考スタイル(問題に直面した時どのように状況を見極め、決断をするか)、対人対応スタイル(どのように他人とやり取りするか)、目標達成意欲(どのように難題に取り組み、完了するまでタスクをやり遂げるか)など。英語以外に、スペイン語、中国語、タイ語など計10カ国語に対応し、世界34カ国で利用されている。顧客はSiemens、KPMG、Citi、Dentsu Aegis Network、Cisco、Vodafoneなど。

2.Elevated:従業員アンケートから理想像を構築して予測採用の参考に

履歴書、Elevatedユーザーのプロフィール、従業員による企業評価アンケート調査、企業の求人情報の内容などから抽出した情報をもとに、独自の予測アルゴリズムで採用ブランディング、採用プロセス、そして従業員のエンゲージメントを改善するためのソリューションを提供する。アンケート調査は、企業で求職者が発揮すると思われる能力の査定や、企業の魅力の明確化、従業員のやる気を引き出して生産性を向上させるものの特定などに必要とされる、独自に考案した16の要素(ワークライフバランス、コミュニケーション、動機付け、その他)を使用する。また、Elevatedのサービスは、企業の求人条件と企業文化にマッチする候補者のソーシングとパイプラインの形成を自動的に行い、機械学習で膨大な量の履歴書からパターンを読み取り、結果を予測し、候補者プールを形成する。人格の適合性は、自社開発の関係マッチングシステムと個々の労働環境により特定される要素の両方から導き出した8要素(目標、競争力、リーダーシップ、平和力、その他)によって査定される。中規模の企業を対象としている。顧客は、Nicklaus Children's Hospital、Seacoast Bank、Dovetail Softwareなど。

3.ThriveMap:英国発、文化的な適合性のアセスメント

英国の会社。従業員を対象にアンケート調査を行い、既存のチーム文化や優秀な従業員の特性を分析する。アンケート調査の所要時間は5分以下。顧客企業のブランディングと統合が可能で、維持管理や操作が簡単なため企業の担当者のトレーニングや資格は必要ない。優秀な成績を収めている従業員の特性をモデルとして、このモデルに近い候補者を採用することを可能にする「優秀な従業員の特性査定」や、求職者が採用されてチームに加わった場合のチーム全体の調和を予測する「ハーモニースコア」などの査定サービスがある。課金形態は、月額利用料を企業が支払う。小規模企業は50ポンド/月、中規模企業は150ポンド/月、大企業は300ポンド/月など。顧客はDolby、AOL、Belron、Christie'sなど。

ビジネスモデル(課金形態)

企業がサービス事業者にサービス利用料を支払う
課金形態は、月間・年間契約でサービス利用料を企業がサービス事業者に支払うケースもあるが、料金に関する詳細は個々の顧客と相談のうえ定めている。

今後の展望

英米では、すでに様々な産業で多くの企業が行動アセスメントを人材獲得および管理プログラムに取り入れている。成熟した市場で、行動アセスメントの予測に対する信頼もすでに定着しているが、予測能力がさらに向上すれば利用する企業は今後も増えると予測できる。AIや機械学習などのテクノロジーは日々進化しているため、高業績者の特性分析や求職者の査定の精度は今後も向上していくだろう。モバイル端末用アプリの開発が進みゲームの種類が増えれば、査定する内容はさらに充実すると思われる。

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