単発・短期ワーク(スポットワーク)で働く人たちは誰なのか?

2026年01月14日

前回のコラムでは、単発・短期ワーク(スポットワーク)が広がる業界や職種、実務経験・資格の活用状況、さらに具体的に活用された資格までを見てきた。では、2024年にこの働き方を選択した15歳以上人口の5.5%は、どのような人たちなのだろうか。本コラムでは、この働き方を選んだ人の現状について、「単発・短期ワーク(スポットワーク)に関する就業実態調査」の第二段階調査(以下、単発・短期ワーク(スポットワーク)の就労実態調査)を基に、さらに詳しく掘り下げて紹介する。

この働き方を選択する5人に1人はシニア

この働き方を選択している5.5%の人は、どの年齢層に多いのかを見ていく(図表1)。単発・短期ワークを選択している人のうち、20~24歳が21.0%で最も高い割合を占めている。さらに、15~24歳までの若年層は合計で31.0%に達しており、若者の比率が高いことが分かる。一方で、60歳以上は合計で20.3%となり、約5人に1人がシニア層(※1)である。若年層とシニア層の双方で広がっている点が、この働き方の特徴である。

次に、男女別・年齢階級別に単発・短期ワーク実施者の割合を見る。15~19歳では男性が4.2%、女性が5.9%で女性の割合が高い。20~24歳では男性10.7%、女性10.3%とほぼ同じである。25~39歳では男性が女性より多くなる一方、40~69歳では女性の比率が高くなる。さらに70歳以上では男性が4.8%、女性が3.9%で、男性が再び多くなる。男女差は総じて大きくないものの、年齢階級によって男女の割合の高低が入れ替わる点が特徴的である。

図表1 単発・短期ワーク(スポットワーク)で働く人の年齢構成図表1  単発・短期ワーク(スポットワーク)で働く人の年齢構成の図※クロスセクションウェイトを用いたウェイトバック集計
出所:「単発・短期ワーク(スポットワーク)の就労実態調査」より筆者作成

就業状態ではおもに仕事をしている人が6割弱

図表2は、単発・短期ワークを選択している人の就業状態を示している。2024年に単発・短期ワークをしていた人のうち最も多いのは「おもに仕事をしていた(原則週5日以上の勤務)」で41.4%を占める。次いで「おもに仕事をしていた(原則週5日未満の勤務)」が16.0%であり、両者を合わせると57.4%、6割弱がおもに仕事をしていたことになる。仕事を中心にしていない人では、「通学のかたわらに仕事をしていた」が13.8%、「家事などのかたわらに仕事をしていた」が7.6%である。「おもに仕事をしていた」層が全体の約6割を占めるという結果から、本業を持ちながら副業的にこの働き方を選択しているケースが多いことが示唆される。

一方、仕事を休んでいた人のうち、疾病、出産・育児、介護、通学などによる休職は1.4%、閑散期で仕事がなかった人は0.7%である。仕事を探していた人は3.1%であった。就業していない人の中では、通学をしていた人が4.0%、家事・育児をしていた人が2.4%、介護をしていた人が0.3%、その他が9.3%となっている。

図表2 単発・短期ワーク(スポットワーク)で働く人の就業状態(※2)

図表2 単発・短期ワーク(スポットワーク)で働く人の就業状態の図※クロスセクションウェイトを用いたウェイトバック集計
出所:「単発・短期ワーク(スポットワーク)の就労実態調査」より筆者作成

雇用形態では4人に1人が正規の職員・従業員

単発・短期ワークをしている人は、どのような雇用形態なのか(図表3)。最も多いのはパート・アルバイトで33.9%を占めている。次いで正規の職員・従業員が25.5%であり、4人に1人は安定した働き方をしながら単発・短期ワークをしていると言える。

一方、非正規雇用に分類されるパート・アルバイト(33.9%)、労働者派遣事業所の派遣社員(6.8%)、契約社員・嘱託(3.9%)、その他の形態(1.0%)を合計すると45.6%となり、半数近くが非正規雇用であることが分かる。その他では、自営業主・家族従業者・内職が8.1%、会社などの役員が1.8%となっている。働いていなかった人は16.0%、仕事を探していた人は3.1%である。

図表3 単発・短期ワーク(スポットワーク)で働く人の雇用形態(※3)

図3 単発・短期ワーク(スポットワーク)で働く人の雇用形態の図※クロスセクションウェイトを用いたウェイトバック集計
※四捨五入により、合計は100%にならない
出所:「単発・短期ワーク(スポットワーク)の就労実態調査」より筆者作成


本コラムでは、単発・短期ワークを選択する人々の属性について確認してきた。明らかになったのは、この働き方が特定の属性に限られるものではなく、幅広い人々に広がっているという点である。では、この働き方はどのくらいの労働投入時間と収入を生み出しているのだろうか。次回のコラムでは、この働き方で生まれる労働時間と収入を中心に見ていきたい。

(※1)厚生労働省が公表した令和7年「高年齢者雇用状況等報告」によると、企業における定年制の状況では、全企業のうち60歳定年が62.2%と最も多い。本コラムでは、この結果を踏まえ、60歳以上の人をシニアと定義する。
厚生労働省(2025)「令和7年 高年齢者雇用状況等報告」https://www.mhlw.go.jp/content/11703000/001609904.pdf(2025年12月24日アクセス)
(※2)2024年12月時点での就業状態を用いている。
(※3)2024年12月時点での雇用形態を用いている。

岩出 朋子

大学卒業後、20代にアルバイト、派遣社員、契約社員、正社員の4つの雇用形態を経験。2004 年リクルートHR マーケティング東海(現リクルート)アルバイト入社、2005年社員登用。新卒・中途からパート・アルバイト領域までの採用支援に従事。「アルバイト経験をキャリアにする」を志に2024年4月より現職。2014年グロービス経営大学大学院経営研究科修了。2019年法政大学大学院キャリアデザイン学研究科修了。

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