The Future of Work ―近未来の「働く」を想像する―

今、世界中で「Future of Work(働き方の未来)」が注目されています。これは遠い将来を占う抽象的な予測ではなく、人工知能(AI)の急速な進化や人生100年時代の到来を背景に、「私たちはこれからどのように働き、どう生きていくのか」という現実的かつ切実な問いを投げかけるテーマです。

本コラムでは、国際機関、経済団体、企業、有識者といった世界の主要なプレイヤーが、どのような視点から働き方の未来を構想しているのかを整理します。あわせて、欧州を拠点に議論をリードする専門家や組織への現地取材を通じ、その思想や試行錯誤の核心に迫ります。

世界で語られる「働き方の未来」は、大きく4つの視点に分けられます。第1に、国際労働機関(ILO)などが担う「ルールと安心」を守る視点です。テクノロジーが進化しても人間を主役と捉え、権利や尊厳、職業移行を支える社会制度の再設計を重視します。第2に、世界経済フォーラム(WEF)に代表される「数字と予測」の視点があります。グローバル調査を基に、職種の変化やスキル需要を可視化し、未来の労働市場を示します。第3は、コンサルティングファームや企業による実務的視点で、業務を再設計し、人とAIの新たな分業モデルを提示します。第4は、研究者による理論と批評の視点で、社会や人間への長期的影響を問い直します。
こうした多層的な議論が交差する欧州の知性から学び、日本における近未来の「働く」をどのように構想すべきか。その手掛かりを探っていきます。


村田弘美(グローバルセンター長)
田中美紀(客員研究員)
松川ゆかり
開地康子
長岡久美子