共働きか片働きか。夫婦の働き方はどう変わったのか

2026年03月31日

正社員と専業主婦(主夫)の割合が低下

  • 30~ 59 歳人口のうち、「正社員と非就業者の片働き」「正社員と非正社員の共働き」「正社員同士の共働き」をする有配偶者の割合を見ると、2015 年にはそれぞれ15.0%、15.5%、15.4%とほぼ同水準であった。
  • しかし、「正社員と非就業者の片働き」の割合は 2019 年より低下基調にあり、2024 年には 10.3%となった(図表1)。「正社員と非正社員の共働き」の割合は 2017~2018年に上昇したものの、2019 年以降は低下に転じ、2024年には 16.7%となった。一方、「正社員同士の共働き」の割合は 2018 年頃まで停滞していたが、その後は上昇基調にあり、2024 年には 16.5%と「正社員と非正社員の共働き」に並んだ。
  • 全体として見れば、片働きから共働きへ、さらに二人目の就業者がよりしっかりと働くかたちへと、重心が移っている。

図表1 夫婦の働き方別・有配偶者の割合の推移図表1 夫婦の働き方別・有配偶者の割合の推移

正社員同士の共働き=パワーカップルの増加か

  • 「正社員同士の共働き」「正社員と非正社員の共働き」「正社員と非就業者の片働き」をする男性有配偶者の年収の推移を見ると、2015年の時点では「正社員と非就業者の片働き」「正社員同士の共働き」、「正社員と非正社員の共働き」の順であった。
  • その後は、「正社員と非就業者の片働き」が最も高いことには変わらないが、2024年の時点では「正社員と非正社員の共働き」が二番目に高くなっており、「正社員同士の共働き」はこの3つの働き方の中では最も低い。「正社員同士の共働き」は、男性側の年収が必ずしも高くない場合に、世帯収入を上げる戦略として選ばれている面もあると考えられる。

図表2 夫婦の働き方別・男性有配偶者の年収推移図表2 夫婦の働き方別・男性有配偶者の年収推移

なぜ夫婦の働き方は変化したのか

  • 背景の一つと考えられるのは、夫婦の経済状況の変化である。総務省「家計調査報告」によれば、二人以上の勤労者世帯における世帯主男性の勤め先収入は、2015 年から2024 年にかけて、物価変動を考慮した実質(2020年価格)で 40.6 万円から39.8 万円へと小幅ながらも減少した。
  • 働き方改革による労働時間の減少や物価上昇が重なり、家計の実質的な余裕も縮小している。同期間の消費支出を見ると、食費の割合が上昇する一方、被服費やその他の支出(交際費や身の回り品等)の割合が低下しており、家族が生活の余裕を削りながら、やりくりしてきた様子もうかがえる。
  • 加えて、人手不足による女性の就業機会の拡大や、国・企業の女性活躍に関わる法制度や施策も、夫婦の働き方の変化を後押しした。
  • 夫婦の働き方の変化は、家計を守るための現実的な対応と、労働市場の構造変化とが複雑に重なり合った結果、生じたものと言える。なにより夫婦の切実で差し迫ったニーズが、そうした変化を生み出す大きな原動力となったのである。

この記事は、研究報告書「家族×仕事 10年の追跡調査が示す、変わる個人・変われない構造」の内容を、再構成したものです。詳細は報告書をご覧ください。