この10年で子どもは持ちやすくなったのか

2026年04月15日

主な夫婦の働き方別・平均子ども数

  • 夫婦の主な働き方別に、有配偶者の平均子ども数の推移を見ると、「正社員同士の共働き」「正社員と非正社員の共働き」「正社員と非就業者の片働き」それぞれで、2015~2024年にかけて低下する様子が見て取れる。
  • 夫婦の働き方に関わらず、子どもが持ちやすくなっているとは言えない。
  • なかでも平均子ども数の低下幅が最も大きかったのは「正社員と非就業者の片働き」であった。

図表1 夫婦の主な働き方別・有配偶者の平均子ども数図表1 夫婦の主な働き方別・有配偶者の平均子ども数(注)30~59歳人口のうち、「正社員同士の共働き」「正社員と非正社員の共働き」「正社員と非就業者の片働き」に該当する有配偶者(同居の子あり・なし合計)について平均子ども数(実際の子どもの数)をそれぞれ求め、2015~2024年の推移を示したもの。
(出所)リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査(JPSED)」。各年のクロスセクションウェイトを用いたウェイトバック集計。

夫婦の主な働き方別・有配偶者のうち子どもがいる割合

  • 「正社員と非就業者の片働き」について、10年間の平均子ども数の低下(-0.13人)を要因分解すると、約4分の3は「子どもを持つ人の割合の低下」によるものであった。

  • 夫婦の主な働き方別に、有配偶者のうち子どもがいる割合を見ると、「正社員と非就業者の片働き」で子どもがいる割合がより大きく低下している。

図表2 夫婦の主な働き方別・有配偶者のうち子どもがいる割合図表2 夫婦の主な働き方別・有配偶者のうち子どもがいる割合(注)30~59歳人口のうち、「正社員同士の共働き」「正社員と非正社員の共働き」「正社員と非就業者の片働き」に該当する有配偶者(同居の子あり・なし合計)について、子どもがいる割合をそれぞれ求め、2015~2024年の推移を示したもの。
(出所)リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査(JPSED)」。各年のクロスセクションウェイトを用いたウェイトバック集計。

年収階級によって異なる動き

  • 「正社員と非就業者の片働き」の有配偶者について、世帯年収ごとに子どもがいる割合の変化を見ると、おおむね年収階級が低いほど、低下幅が大きい傾向が見られた。この類型全体では2015年の81.2%から2024年の75.5%へと5.6%ポイントの低下だったのに対し、世帯年収400万円未満では77.9%から68.9%へと、9.1%ポイントの低下となった。

図表3 「正社員と非就業者の片働き」の年収階級別・子どもを持つ割合(2015年と2024年の比較)図表3 「正社員と非就業者の片働き」の年収階級別・子どもを持つ割合(2015年と2024年の比較)(注)30~59歳人口のうち、「正社員と非就業者の片働き」に該当する有配偶者(同居の子あり・なし合計)について、年収階級別に子どものいる割合を2015年と2024年で比較したもの。四捨五入のため、2015年の数値と2024年の数値の差分とグラフ上の変化幅が一致しない場合がある。
(出所)リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査(JPSED)」。各年のクロスセクションウェイトを用いたウェイトバック集計。

さまざまな「子どもの持ちにくさ」

  • 「正社員と非就業者の片働き」をする有配偶者の中には、経済的に安定し、片働きを望んで選択している人と、収入面で十分でなくても、何らかの理由により共働きが難しい人の両方が含まれていると考えられる。とりわけ後者においては、子どもを持つことを諦めやすい状況が生じている可能性がある。
  • これまで「正社員と非就業者の片働き」における子どもの持ちにくさに注目してきたが、「正社員同士の共働き」や「正社員と非正社員の共働き」においても、程度の差はあるものの平均子ども数は低下傾向にある。これらの背景には、それぞれ異なる要因があると考えられる。
  • 子どもを産み育てやすい社会を実現するためには、このような多様な「子どもの持ちにくさ」に向き合うことが求められる。

この記事は、研究報告書「家族×仕事 10年の追跡調査が示す、変わる個人・変われない構造」の内容を、再構成したものです。詳細は報告書をご覧ください。