この10年で単身化はどのように進んできたのか
増加する単身正社員
- 2015~2024年の10年で最も特徴的な変化は「単身正社員(同居の子なし)」の増加だった。-30~59歳人口のうち、これに該当する人の割合は2015年の16.3%から2024年の21.7%へと上昇した。
- 同じ期間に「単身非正社員(同居の子なし)」の割合は7.4%から9.2%へ上昇しているが、「単身正社員(同居の子なし)」の上昇幅と比べると緩やかなものに止まった。
図表1 30~59歳の人口に占める「単身正社員(同居の子なし)」「単身非正社員(同居の子なし)」の推移
(注)30~59歳に占める割合。親族との同居はあり・なし計。
(出所)リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査」クロスセクションウェイトを用いたウェイトバック集計。
男性は正社員や中所得層でも有配偶率が低下
- 単身化の背景を探るために、雇用形態・年収階級別に、男女の有配偶率を2015年と2024年で比較すると、男性では正社員や年収500万~700万円未満の中所得層でも有配偶率が低下しており、従来配偶者を持ちやすいとされてきた正社員や比較的所得の高い層でも単身化が進んできたことが分かる。
- 女性では、正社員の有配偶率は2015年と2024年でほぼ横ばいだったが、女性のうち正社員として働く人が増えたため、結果として単身正社員が増加した。
- 一方で、2015年の時点では収入がない女性の多くは有配偶者であったが、2024年にはこの割合が低下。「専業主婦」という選択が急速に難しくなっている様子が示された。
図表2 有配偶率の変化(2015年と2024年の比較)
(注)30~59歳を対象とする集計。
(出所)リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査」クロスセクションウェイトを用いたウェイトバック集計。
男女で異なる結婚への懸念
- 単身者に配偶者を持っていない理由を尋ねると、男女とも最多は「よい人に出会う場や機会がないから」であった。しかし男性では「資金が足りない」「今の働き方では不安定」といった経済的理由も多く、結婚に経済的プレッシャーを感じる傾向が確認された。
- 一方、女性では「自由さや気楽さを失いたくない」「必要性を感じない」が上位で、結婚が自由や柔軟さを奪うものと位置づけられ、価値を感じにくくなっている様子が示された。
- 配偶者を持つかどうかは個人の選択であるが、男女で異なる懸念材料を解消することは、そもそも配偶者を持ちたいと思える環境を作る上で重要と考えられる。
図表3 配偶者を持っていない理由(男女別)
(注)30~59歳を対象とする集計。
(出所)リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査2025追加調査」クロスセクションウェイトを用いたウェイトバック集計。
この記事は、研究報告書「家族×仕事 10年の追跡調査が示す、変わる個人・変われない構造」の内容を、再構成したものです。詳細は報告書をご覧ください。
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