新卒採用 10年の変化と現在地

2026年09月29日

企業の採用状況と採用見通しに関する調査

新卒採用 10年の変化と現在地

構造的な人手不足の状況が続き、企業にとっては新卒採用で求める人材の質と量を確保することが一層課題になっている。今後、新卒就職者数の減少が見込まれる中で、企業における新卒採用のあり方がますます問われる。本報告書では、「企業の採用状況と採用見通しに関する調査」の10年分のデータを活用し、企業における新卒採用の変化と現在地を確認する。主な集計・分析対象は、大学生・大学院生の新卒採用である。

報告書(PDF)の目次

 Part 1   10年の採用市場の動向:新卒は“継続” 中途は“拡大” 
 Part 2   変わる新卒採用:採用対象は“拡大” 選考時期は“分散”


この報告書でわかること

新卒採用の実施割合は約8割を維持。「新卒採用をやめる」企業は増えていない 

新卒採用の実施割合は、コロナ禍後も約8割を維持している。「毎年同程度の人数を採用する」企業の割合は2020年の39.4%から2024年には49.9%へ増加した。「新卒採用をやめる」企業の割合は2023年卒以降1割未満で推移しており、増加傾向は見られない。


新卒採用の充足率は70%台に低下。充足率20%未満の企業は5.4%から13.6%に増加 

新卒採用計画数に対する充足企業の割合は、2021年卒で一時的に増加したが、以降は減少傾向をたどり、2026年卒では32.4%となっている。充足率の中央値は2017年卒の90.0%から2026年卒では78.6%へ低下し、「20%未満」の企業割合は5.4%から13.6%へと増加している。

中途採用が拡大し、採用人数全体に占める新卒採用の割合は43.0%まで減少

「新卒採用と中途採用の両方を実施」する企業の割合は2017年卒の53.8%から2026年卒では63.9%まで増加し、全体の6割超を占めるまでに広がった。中途採用の拡大により、採用人数全体に占める新卒採用の割合は61.3%から43.0%まで減少した。

新卒扱いの対象拡大や通年採用による選考時期の分散が進む

「新卒扱いの対象拡大(年齢、卒年)」の実施割合は2025年で27.7%となっている。通年採用の実施割合は2021年卒の28.2%から2027年卒では38.3%まで拡大し、「年間を通して受付・選考」する企業の割合も22.8%から30.8%へ増加するなど、選考時期の分散が進んでいる。

企業間の初任給のばらつきは拡大したが、企業内で初任給に差をつける動きは限定的 

各社が設定する初任給額が増加するとともに、そのばらつきが拡大している。一方、「職種で初任給に差をつけた採用」の実施割合は8.7%(2027年卒)にとどまり、採用時に処遇に差をつける動きは限定的である。また、「昇進の早い特別なコース採用」の実施割合は1%台とごく少数だが、大企業を中心に変化の兆しが見られる。


分析・執筆者

※「企業の採用状況と採用見通しに関する調査」はこちらをご覧ください。

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