HR Tech Roundup  海外のHRテクノロジー最新ニュースLinkedInが最新「GPT」を搭載した新機能を発表、中国のHRテクノロジーカオスマップ、ほか

海外HR Techニュースリリースまとめ

LinkedInがOpen AIの「GPT」を搭載した新しいコンテンツ自動生成機能を発表した。
世界170カ国超からリモートで働く技術系人材の採用を支援するAndelaは、コーディングスキル評価プラットフォームのQualifiedを買収した。
またHRTechChinaは、中国の主要HRテクノロジー200社超を網羅したカオスマップ「MapofHRTech®」を発表した。

  • 【機能・サービス】

    LinkedInが「GPT」 を搭載した機能を発表、プロフィールや求人情報の自動生成が可能に

    LinkedInは、OpenAIのAI言語モデル「GPT」を搭載したコンテンツ生成機能を2種類追加した。1つ目は、AIがユーザーのプロフィールから強調すべきスキルや経験を特定し、「ヘッドライン(見出し)」と「自己紹介」の文章を作成し、提案する。この機能は3月現在、一部のPremium会員に試験的に提供されているが、今後数カ月以内にすべてのPremium会員に公開される。2つ目は、企業が役職名、社名、雇用形態、勤務形態(ハイブリッド、在宅勤務、出社)、勤務地などの基本情報を入力すると、AIがジョブディスクリプションを作成する。この機能は現在英語のみに対応し、米国、カナダ、英国、インド、オーストラリアの一部の企業に提供されているが、年内に世界全体に展開される予定である。
    また、LinkedInは2023年6月15日まで全会員に「LinkedInラーニング」のAI関連コースを100種類以上無償で開放している。今後数カ月以内に、生成AI(ジェネレーティブAI)関連コースをさらに20種類新設する予定である。(3月15日 LinkedIn)
    https://www.linkedin.com/pulse/unlock-opportunities-elevate-your-career-power-ai-tomer-cohen/
    https://www.linkedin.com/business/talent/blog/talent-acquisition/linkedin-tests-ai-powered-job-descriptions


    CoachHub、「CoachHub Executive」サービスの提供を開始

    法人向けコーチングプラットフォームのCoachHubは、エグゼクティブ向けコーチングサービス「CoachHub Executive」の提供を開始した。エグゼクティブは、ビデオ通話やチャットによるコーチングを無制限で受けることができる。CoachHub Executiveのコーチは35カ国以上に在住し、40を超える言語でコーチングを提供する。コーチは下記の要件を満たす必要がある。

    • 従業員数1万人以上の多国籍企業で、10年以上のシニアリーダーを務めた経験を持つ
    • エグゼクティブコーチングの経験があり、フォーチュン1000企業でエグゼクティブを務めるクライアント3名以上からの推薦状がある
    • ICF(国際コーチング連盟)やEMCC(欧州メンタリング&コーチング協議会)、AC(コーチング協会)など主要な協会による認定資格を持ち、500時間以上のトレーニング時間を有する
    • 認知度の高いコーチングアセスメント手法(Hogan HDS、EQi2.0など)の経験がある

    (2月21日 PR Newswire)
    https://www.prnewswire.com/news-releases/coachhub-unveils-executive-coaching-offer-coachhub-executive-301750369.html

  • 【M&A】

    Andela、Qualifiedを買収

    中南米や東欧、アフリカなどからリモートで働く技術系人材の採用を支援するAndelaは、コーディングスキル評価プラットフォームのQualifiedを買収した。これにより、Qualifiedの「Codewars」に登録する360万人以上のエンジニアを獲得した。Codewarsは、技術系人材がゲーム感覚で実践的なコーディングスキルを競い合うオンラインコミュニティである。
    Andelaは、170カ国超の新興国に住むエンジニアやプロダクトマネジャーなどの技術系人材と企業をつなぐグローバルなタレントネットワークで、GitHubやCloudflare、ViacomCBSなど数百の大手企業が利用している。Qualified は、Klarna、Zoom、Facebookなどの企業に利用されている。(3月9日 Andela)
    https://andela.com/press_content/andela-acquires-qualified-leading-technical-skills-assessment-platform/


    LiveHire、Arrived Workforce Connectionsを買収

    フリーランサーやOB・OGなどの外部人材や直接雇用の候補者を総合的に管理するオーストラリアのダイレクトソーシングプラットフォームのLiveHireは、シフトスケジューリングソリューションのArrived Workforce Connectionsを400万ドルで買収する契約を締結した。この買収により、LiveHireはArrived Workforce ConnectionsのモバイルおよびPC用シフト管理アプリケーションを自社のプラットフォームに統合し、シフトスケジューリングを必要とする新規顧客の獲得につなげる。(3月9日 SIA)
    https://www2.staffingindustry.com/site_member/Editorial/Daily-News/Direct-sourcing-firm-LiveHire-to-acquire-shift-scheduling-provider-Arrived-Workforce-Connections-64834

  • 【マーケット】

    HRTechChina、中国の2023年版HRテクノロジーカオスマップ「MapofHRTech®」を発表

    HRTechChinaは、中国の主要なHRテクノロジープロバイダーをまとめた「MapofHRTech®」を発表した。マップは、総合サービス、SaaS型HR、採用管理、報酬管理、労働力管理、業績管理、新卒採用、海外採用、フレキシブル雇用、採用プラットフォーム、ヘッドハンティングサービス、ブルーカラーの採用、eHR、アセスメント、学習開発、ビデオ面接、HRO、バックグラウンドチェック、アンケート、電子署名、カンファレンス&ライブストリーミング、従業員口コミサイト、福利厚生などの領域で構成されている。求人アプリのBOSS Zhipin(BOSS直聘)、求人求職サイトのZhaopin(智联招聘)、人事一括管理SaaSのBeisen(北森)、クラシファイド広告の58.com(58同城)、LinkedIn、CoachHub、SAP SuccessFactorsなど200社超を掲載している。
    マップは毎月更新され、HRTechChinaのウェブサイト、Weibo(微博)、WeChat(微信)、LinkedIn、NetEase(网易)、Twitter、Facebook、Zhihu(知乎)などの各種メディアや人事雑誌などを通して約100万人にリーチしている。(2月 HRTechCloud)
    https://www.mapofhrtech.com/Index/download/

  • 【資金調達】

    Bonusly、Ankona Capitalなどから1890万ドルを資金調達。資金は、アナリティクス機能の強化や営業およびマーケティングなどに充てる。Bonuslyは、会社や従業員が部下や同僚の活躍や行動を称賛・表彰するレコグニションおよびリワードプラットフォームである。従業員は、Microsoft TeamsやSlackなどの社内コミュニケーションシステムやBonuslyのアプリ経由で、同僚への感謝のメッセージを投稿し、同僚にボーナスポイントを送る。ポイントは、AmazonやHuluなどのプリペイドカードの購入や慈善団体への寄付などに使うことができる。Bonuslyは、ソフトウエアレビューサイトのG2で「従業員レコグニション」の分野で1位、「従業員エンゲージメント」の分野で3位に評価されている。顧客企業は、Chobani、ZipRecruiter、Pender Veterinary、SDMIなど。

    https://blog.bonus.ly/bonusly-raises-18.9-million-in-series-b-financing-led-by-ankona-capital

    WorkLLama、5000万ドルを資金調達。資金は、製品や自動化技術の開発、買収、北米や欧州、アジア太平洋での事業拡大に充てる。ダイレクトソーシングおよびタレントマーケティングプラットフォームのWorkLLamaは、フリーランサーやSOWコンサルタント(※1)など外部人材から成るプライベート人材プールの構築、対話型チャットボット「Sofi」、クラウドソース型リファラルエンジンなどの機能を備える。
    https://workllama.com/news/investment-pr-2023/

    Glider AI、Primera Capitalなどから1000万ドルを資金調達。資金は、独自技術の開発や人員補強などに充てる。候補者のスキルや適性を測るスキルインテリジェンスプラットフォームのGlider AIは、グローバル企業や大手人材派遣会社を顧客とし、スキル重視の採用をサポートする。電話によるスクリーニング、録画面接、ライブでのコーディング面接、AI不正検知などの機能を備え、WhatsApp、ショートメッセージに対応する。同社は、Staffing Industry Analysts(SIA)主催の2021年のCollaboration in the Gig Economyで、最も革新的なスタートアップとして「ギグエコノミー・シャークタンク賞」を受賞した。
    https://glider.ai/blog/glider-ai-secures-10m-series-a-funding-to-help-enterprises-shift-to-skills-based-hiring-and-guarantee-candidate-fit/

    (*)SOWとはStatement of Work の略で、明確な契約に基づいて短期のプロジェクトベースで専門サービスを提供するコンサルタントのこと。

TEXT=杉田真樹