Column

職場で役立つテクノロジー

職場で役立つテクノロジー
アシスタントはボット

Case 2:営業マネジャー

「Howdy」に部下全員から“今期の進捗報告を集める”よう依頼する。

Howdyがプロジェクトメンバーに状況確認する図 ※クリックすると拡大プロジェクトメンバーに状況確認する「Howdy」
※クリックすると拡大

Howdyは社内チャットツールのSlack上で意見や回答を収集するbot
たとえば、期末が近くなり目標達成に向けた個々の取り組みを知りたいときに、「昨日は何をしたのか?」「今日の活動予定は?」「進捗を阻んでいる問題はないか?」などの質問を設定する。期限を指定しておくと、その時間までにHowdyが部下にチャットメッセージを送り、返答を収集してレポートにして届けてくれる。返答がない人へのリマインド機能もある。毎週月曜といった定期的な確認も設定可能である。

過去の返答はHowdyのサイトに記録されており、日付ごとに確認できる。
複数のメンバーからプロジェクトの進捗を把握したいとき、ミーティングを設定したいとき、フィードバックを収集したいときに便利だ。(https://howdy.ai/

 

チーム会議を毎週火曜日の13時に実施することになった。
「Large」に毎週火曜日にランチのデリバリーを手配するよう依頼する。

Large食事のデリバリー手配をしてくれるSlack bot
ユーザー「毎週火曜に7人分のランチのデリバリーを手配してくれる?今日はどこが人気あるの?」
Large「承知しました。今日はピザ屋Aとタイ料理屋Bが人気のようです。どちらかのお店にしますか?」
ユーザー「今週はメキシコ料理屋Cにして、来週ピザ屋Aにしよう」
Large 「了解です。ではみなさんからタコスの注文を取って、火曜日の12:45pmに宅配してもらうようにしますね。私が注文する前に最終金額を確認してください。来週の注文はまた日が近づいたら連絡します」
というように、ユーザーと会話しながら店の提案をしてくれ、各メンバーから注文を取って店に連絡をしてくれる。

支払いは登録したクレジットカードで自動的に完了。電子領収書は指定の場所に保存される。社内の会計システムとも統合可能である。
一度きりのイベントでも、定期的なデリバリーでも手配可能。定期的に発生する場合は、その都度注文を取ってくれる。
現在利用できる都市は米国の約30都市。ほかにも、キッチン用品・事務用品の購入や旅行予約、清掃業者の予約などが可能だ。(http://www.eat.ai/

 

交通費と接待費を「Ace」で経費清算する。

Aceに旅費報告をする図※クリックすると拡大「Ace」で旅費清算をするユーザー
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AceはSlack向けの経費報告bot
Largeと同様に、Aceがチャット形式で金額、使途、日付について質問を投げかけてくるので、それに答えていくことで経費報告ができる。領収書のスキャンをアップロードすると適切なフォルダに保存してくれる。月末にCSVファイルを会社の会計システムにエキスポートできるようになっている。

ほかには、新商品の名前やランチの注文など、選択肢の中からメンバーに投票してもらう投票機能や、評価・フィードバックの収集、タスク管理(やることリストの作成、項目の追加、削除、チェック、終了)、メンバーへのタスク割り振り、優先順位づけなどもチャット形式で行える。(http://acebot.ai/

 

各事業所の部長と電話会議。「Clarke」に議事録作成を依頼する。

電話会議招集メール(上)と今日のダイジェスト(下) ※クリックすると拡大「Clarke」を含めた電話会議招集メール(上)と今日のダイジェスト(下)
※クリックすると拡大

Clarke電話会議の議事録を取るbot
電話会議の招集通知にTOやCCでClarkeのメールアドレスを含めておくと、会議時間に自らダイアルし、議事録を取り始める。会議後、Clarkeはメール、Slack、あるいはセールスフォースを通して会議参加メンバーに議事録を送信する。

現在は個人の声を聞き分けられないので、一字一句の記録ではなく箇条書きだが、トピックごとにまとめてアクションアイテムを優先して記録できる。
通常の電話の途中でも、スマホ画面に表示される「追加」ボタンをタッチすることでClarkeを招き入れることが可能。
Clarkeは毎日、ユーザーが電話で話した内容と今後対応するべき案件、その日対応した業務をまとめた「ダイジェスト」をメールで送ってくれる。(https://clarke.ai/

 

「Conversica」から、新サービスに関心がある顧客に電話をかけるよう連絡を受ける。

Conversicaは、営業アシスタントとして新規顧客の開拓を手伝うAIを提供する。
たとえば仮にAさんがソフトウェアや商品パンフレットなどをウェブサイトからダウンロードすると、ユーザーのアシスタントに扮したConversicaが自動的にAさんにメールを送り、アップグレードやほかのサービス・商品に興味があるかを探る。Aさんが興味を示す返信をすると、Aさんの電話番号と該当するサービス・商品、都合の良い日時を確認し、ユーザーにメールで伝えてくれる。

Aさんからの返信内容が、今後の連絡を断るものだったり不適切なものであれば、ConversicaはAさんを「受信拒否リスト」に加えるので、再度Aさんにメールが行くことはない。アシスタントの名前と会話の内容はカスタマイズ可能だ。(https://www.conversica.com/

 


botの性能向上で人材不足の改善を期待
仕事のさまざまな場面を効率的にするbotが日々誕生している。どれもまずは無料で試用できるが、ここで取り上げたものは、長いウェイティングリストがあるようだ。
タスクによってはアプリの方が向いている場合もあり、botがアプリに完全に置き換わることはないと思われる。しかし、雑務をbotに任せることで人間同士の時間を多く取れるようになる。さらに、利用者が増えてbot同士がコミュニケーションを取るようになれば、タスクの処理速度はより上がると期待される。ATSやCRMがbotになる日が来る可能性もある。

課題としては、チャット形式でbotの質問に答えるために何十文字も入力するよりも、これまで通り自分で処理する方が速いという声がある。ただ、クラウド上に存在するbotは常に進化し、アップデートされている。精度が上がれば、より使い勝手が良くなるだろう。今回紹介したbotには日本企業が出資しているものもある。人材不足が深刻な日本では、botの開発と活用が急務かもしれない。今後職場で最も重宝され、普及するのはどんなbotなのか、そしてbotは我々の仕事をどう変えてくれるのかが注目される。

グローバルセンター
石川ルチア

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2017年01月30日