海外拠点の経営を担う人材の採用
海外事業の成否に直結する海外拠点の経営人材の採用について構造的に把握する。
ホワイトカラー基幹人材の国際労働移動に関する研究の端緒となる。
プロジェクトの概要
グローバル採用
2012年度の研究テーマは「グローバル採用」。グローバル化が進む中で、場所や国籍を超えた人材の採用はどのように進むのか、その成果を上げるためには、何が必要なのかを探索していきます。
ビジネスの現場は、着実に海外へとシフトしています。製造拠点としてだけではなく、営業・販売拠点として。流通・サービス業の海外でのサービス展開も、拍車がかかっています。
そのビジネスを推進していく上では、日本人以外のプレーヤーが欠かせません。事業戦略立案において、現地でのサービス展開において、現地をよく知る人材は、欠くべからざる経営資源です。
しかし、そうした人材を、私たちは、まだ十分に活用しているとはいえません。Global War For Talentに、本格的に参入しているとはいえません。
内なる国際化も、重要なテーマです。そして、その推進の早道は、オフィスにいる人材が多様になること。「日本人・男性・正社員・新卒」という人たちが主役であったかつての日本企業から、個人属性が問われない近未来の日本企業へと変貌していくためには、多くの外国人が入社し、定着していくことが求められます。
グローバル採用は、外国人に限ったことではありません。成長領域へのシフトにあわせて、日本人が海外で働くケースは増えていきます。日本人社員の「求める人物像」も、変わっていくはずです。また、グローバルでの成長・活躍を想定し、日本市場を飛び出る優秀な若手も増えています。どのようにしたら、彼らを振り向かせることが出来るのでしょうか。
プロジェクトの内容
海外拠点の経営を担う人材の採用について多角的にとらえる
- 概況把握(国内外13の人材紹介会社への聞き取り)
- 人材紹介会社の求人データの分析
- 転職者へのインタビュー調査
- 採用プロセスに関するインタビュー調査
- 採用企業への聞き取り
プロジェクトの成果・報告書
- 海外経営人材の国際労働移動は、「海外進出の歴史の古い企業群から浅い企業群への移動」として起こり、このことによって採用企業と候補者の間に海外事業に対する「経験の非対称性」が発生する
- 採用プロセスにおいて14の採用阻害要因が見出された。この採用阻害要因を構造化すると、「狭義の採用活動」を挟む形で、「海外事業の戦略」と「既存の人事制度の制約」が観察され、海外経営人材の採用ならではの難しさとして、採用活動が経営と密接に絡んでいることが明らかになった
リンク先
プロジェクトリーダー
- 中村天江
プロジェクトメンバー
- 初見康行 (一橋大学大学院)
- 米澤郁弥 (一橋大学大学院)
- 手塚 ゆかり