グローバル大手企業人事責任者によるリクルーティングの未来調査(1)
Vol.19 グローバル企業の人材戦略と採用方法の変化
米国の大手企業の人事責任者を対象に、2011年9~10月に実施した「10年後-採用の未来」調査結果を、3回にわたってご紹介したい。 ※回答は、55社64名(管理職、社長、バイスプレジデントレベル)。回答企業のうち海外に拠点を持たない企業16.3%、米国外を本拠地とする多国籍企業16.3%、米国を本拠地とする多国籍企業67.4%であった。
1.企業の人材戦略の発展
回答者の大半が、従業員の就業形態が広がり、その結果として採用プロセスが複雑化するだろうと答えた。「企業は確固たる論拠とビジネスケースを構築して、非正規社員のカテゴリーへの大きな転換を支持すべきだ」としている。
Q.どのレベルにおいても、採用方法の選択肢はさらに多様化する(例:正社員、パートタイム労働者、契約労働者、非正規労働者、PEO 等)。規制により、多くのハイブリッド型の選択肢が登場すると思うか?
A.
Q.(上記の変化の結果として)、採用方法はさらに複雑になると思うか?
A.
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【回答者コメント】
「理論上は就労形態の選択肢は広がっているが、自社では依然として採用の95%がフルタイムの正社員だ」
「今では5~6年前には想像もできなかったような方法で、優秀な人材を見つけ出し採用している。このトレンドは、あと10年ほどは続くだろう」
「自社の従業員の平均年齢は約48歳。およそ30%が定年退職年齢を超えている。実のところインターン生のほうが安くつく。経費削減のため、正社員よりも学生の採用を増やすだろう。また、早期退職をする者もいるが、多くの退職者を契約労働者として再雇用する必要がある。妙なことだが、その傾向は強まっている」
2.採用プロセスの発展と今後の予測
過去10年で大きく変化したと実感しているのは、「ソーシング」や「マーケティング」「関係構築(SNS)」など。ただし、今後の変化という点では、「ソーシング」に関してはこの10年ほどの大きな変化を予測している人は少なくなっている。調査の前提として「人員計画や分析(測定)の未来予測は、この回答結果よりも長期的に大きな影響を及ぼすだろうと考えている。また、評価や選考ツールに関しても、ゲームと一体化しているようなシミュレーションなどのような自己評価テクノロジーが登場しているように、大きな変化を生む可能性が高い」と予測している。
<過去10年の発展>
Q.下記の6つの採用業務について、それぞれ過去10年でどの程度変化したか?
A.
1.ソーシング/人材探しのすべてを含む
2.関係構築/SNSを用いたコミュニティの開発などを通じた候補者との関係構築
3.評価/テスト、スクリーニング、面接
4.マーケティング・情報伝達/求人、企業、キャリア等に関する情報へのアクセス
5.新規従業員のオンボーディングと育成
6.成果測定/費用、人員充足までの期間、その他のROI
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【回答者コメント】
「テクノロジーやプロセスは進化しているが、採用の基本は必ずしも変わっていない」
「手段は変わっても、求められる中身が変わったとは限らない」
「ソーシング機能の進化には衝撃を受けているが、10年後には消えるだろう。人材探しが問題ではなくなるほどにテクノロジーは進化するだろう。肝心なのは、人材を調達することだ」
「絶え間ないテクノロジーの導入によって、業績評価指標の伝達と測定基準に関する大きなチャンスが生じた」
<今後の予測>
Q.下記の6つの採用業務について、今後10年でどの程度変化するか?
A.
1.ソーシング/人材探しのすべてを含む
2.関係構築/SNSを用いたコミュニティの開発などを通じた候補者との関係構築
3.評価/テスト、スクリーニング、面接
4.マーケティング・情報伝達/求人、企業、キャリア等に関する情報へのアクセス
5.新規従業員のオンボーディングと育成
6.成果測定/費用、人員充足までの期間、その他のROI
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【回答者コメント】
「測定基準は変化する可能性が大いにある。我々の行動の影響をきちんと測定する能力やニーズは、採用やスタッフィングにとって主な原動力となり、ゆくゆくは要件となるだろう」
「人員充足までの期間などの基準から、採用の質に焦点を置くように変えるべき」
「ウェブ3.0や未来のテクノロジーによって、大きな変化が起きている」