上司は介護中の部下をどう支援すべきか -ワーク・アイデンティティの重要性に着目して- 大嶋寧子

介護によって労働者のワーク・アイデンティティが揺らぐことは、労働者に大きなストレスを生じさせたり、その後のキャリア形成の拠り所を喪失させたりする懸念がある。本稿では、部下の自律的な判断や行動を尊重する上司のエンパワリング・リーダーシップが、介護中の従業員のワーク・アイデンティティにどのような影響を及ぼすのかを、本人による自律的な仕事の改編としてのジョブ・クラフティングによる媒介に着目して検討した。