HR Technology 2019-2020APIコネクター

システム間でのデータやコンテンツの共有とアップデートを自動化

API Connectors
代表的なサービス

APIコネクター(API=アプリケーションプログラミングインタフェース)は、ジョブボードやVMSATSを連携し、システム間でのデータやコンテンツのアップデートおよび共有を自動化するサービス。具体的には、ジョブボードに掲載されている求人広告の応募ボタンを求職者がクリックすると、プロフィールや履歴書のデータがATSの入力フォームに自動入力されるサービスなどがある。応募時の作業負担の軽減、応募途中での離脱率の減少、応募件数の増加などの効果があると言われている。

人事との関連性

APIコネクターは、採用プロセスで使用されるすべてのソフトウェアの間の「つなぎ」として、情報のやり取りやアップデートを自動化することで人為的エラーをなくし、担当者の事務作業を簡素化し、作業時間を短縮する。すべてが自動化されるため夜間の情報更新が可能になり、細かく繰り返しの多い事務作業にかける時間が少なくなるため、人事の作業効率は上がる。情報の内容は常に最新に保たれ、CRMの質が向上し、企業は社内の全員が同じ情報を常時共有できる。この機能は特にグローバルな展開をしている企業にとって利点と言える。また、採用活動を展開する際にも、求職者は応募ボタンをクリックするだけで完了するため、従来のようにフィールド入力の必要がなく、入力が面倒で応募しない求職者や、応募を途中でやめてしまう求職者の減少につながる。

サービス例

1. reThinkData:ウェブ上にある求職者の情報を企業の人事管理システムにインポート

応募者が応募ボタンをクリックすると、ジョブボードからプロフィールや履歴書などの書類が送信される。このデータをreThinkDataがまとめて、応募先企業のATSに送信し、その企業専用の応募フォームにインポートする。すべてが自動化されているので、求職者が複数の求人へ応募する場合や、モバイル端末から応募する場合の入力の手間やストレスを減らすことができる。

2. Bullhorn Fyre Sync:採用過程の情報のやり取りを自動化・一元化するサービス

母体であるBullhornが採用だけでなくVMS、CRM、売り上げ管理などのソフトウェアを提供しているため、Bullhorn Fyre Syncは、情報のアップデートを自動化してATSとBullhornが提供するその他のシステムを統合し、より包括的なサービスを提供することができる。ジョブボードやSNSと連携させて応募者の情報をATSにフィードする機能、すでにATS内に情報がある応募者を識別する機能、Googleマップと連動させて応募者の住所を視覚化する機能などがある。

ビジネスモデル(課金形態)

企業、ATSプロバイダー、ジョブボードがサービス利用料をサービス事業者に支払う
企業が支払うのは、APIコネクターによってATSとジョブボードやSNS、さらに企業内の様々な人事管理システムと連携させるサービスの利用料。ATSプロバイダーが支払うのは、自社のATSと顧客企業が利用しているすべてのジョブボードとの連携を可能にするためのサービス利用料。ジョブボード運営会社が支払うのは、自社のジョブボードと顧客企業のATSを連携させるためのサービス利用料。

今後の展望

「ボタン1つをクリックすれば応募が完了」という機能が、求職者にとっては大変便利でジョブボードの人気を左右する要素になり得るため、サービスを依頼するジョブボード運営会社は今後さらに多くなると思われる。企業にとっても、このサービスを利用することで応募者の質や数の向上と採用コストの削減を見込めるため、実績によって機能の有用性が証明されれば、APIコネクターのサービスを利用する企業は増加するだろう。

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