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リファラルツール
知人紹介プロセスを自動化

ttl07_gear06_newReferral Tools
代表的なサービス

米国の大手企業が最も効果的な採用方法の1つとして挙げるのがリファラルツールである。リファラル(referral)とは「紹介」を意味する。基本的には従業員などの信頼できる人物から人材を紹介してもらうという日本の「縁故」よりもオープンな仕組みで、人事では一般的に活用されている。
リファラルツールを利用することで、人材の紹介の受付、進捗管理、紹介者への紹介料(リファラルボーナス)の支払いといったプロセスの自動化が可能になる。リファラルは従業員が行うのが一般的だが、社外の人間でも適切な人材を紹介すれば紹介料を受け取れるというサービスもある。

人事との関連性
リファラルは、従業員を介することでクオリティを維持しつつ、ダイバーシティに配慮した採用を可能としている。以前は、マニュアルでの候補者管理が多かったが、一連の採用プロセスを自動化することで、ヒューマンエラーを回避できるようになった。ほかの採用方法に比べてシンプルかつ低コストで利用価値がある。
また、従業員を介すことが、候補者が自社で働くに値するかの能力や人物を評価する一次スクリーニングの機能も代替するため、効率的な仕組みともいえる。

サービス例

  1. Reppify1-Page:従業員が知人を紹介
    企業は自社の従業員が知人を紹介するのをただ待つのではなく、従業員のSNS上の人脈からも候補者を探せる。サービス事業者は候補者のショートリストを作成し、企業に提案する。従業員は、候補者が条件を満たした人材であると判断できた場合のみ自社に紹介する。紹介の決定権は従業員にある。企業は将来有望な候補者をプールシステムに登録することもできる。
  2. ReferClickRolePointZao:社外の第三者が知人を紹介
    企業は社内の従業員だけでなく、社外からの紹介も受け付ける。サービス事業者の提供するサイトに求人情報を掲載し、その情報を見た第三者からの人材紹介を待つ。企業は、社内外に関わらず紹介者に紹介料を支払う。
  3. SpringRole:事前登録したエンジニアを紹介
    SNSコミュニティからの推薦があるエンジニアや、スキルアセスメントサイトでコーディングの得点を持っているエンジニアがサービス事業者のサイトに登録し、クライアント企業からのオファーを待つ。
  4. SmartHires:グループ企業がエンジニアを紹介
    自社の都合で採用できなかった優秀なエンジニアに関する情報をグループ企業間で共有する。採用した企業がサービス事業者に手数料を支払う。

ビジネスモデル(課金形態)

  1. 企業・リクルーターがソフトウエアの使用料金をサービス事業者に支払う
    最も利用されているソフトウエアのサービス形態はSaaSである。
  2. 企業・リクルーターが採用決定ごとの料金をサービス事業者に支払う
    サービスを介して見つけた候補者の採用が決まると、リクルーターは料金を支払う。
    referral-tools相関図
  3. 企業が求人広告料金をサービス事業者に支払う
    企業がネットワークへの求人広告掲載料を支払う。社外の人からも紹介を受け付けるサービスでのみ成立する。

今後の展望
既に優良な商品が存在している点で市場の成熟度は高く、更なるイノベーションによるサービス向上が期待される。また、比較的新しい分野であり、企業の認知度がまだ低いため、市場の拡大が見込める領域でもある。

グローバルセンター
村田弘美(センター長)
鴨志田ひかり(客員研究員)

HRテクノロジーマップ
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00_ttl_esmjpcircle1200出所:TTL “Talent Acquisition Technology Ecosystem”を基に再分類し筆者作成(2016.10)

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