対談タイトル
未来予測ロゴ   課長支援による現場力の強化を
     
大久保  

グローバル化以外で、どんな課題がありますか。

 

小林  

人員構成のいびつさの問題があります。いびつさは事業や業界の伸縮に対して組織の伸縮の呼応が難しいという点と、社内の人口ピラミッドの形状がいびつである、という2つの要因からきています。後者は、ポスト団塊ジュニアの問題です。団塊ジュニアは今40歳前後で、課長相当のクラスにいるわけですが、そのあとに続く世代の数が非常に少ない。つまり、今後、課長になる層が大いに枯渇してくることになります。

 

大久保  

そうすると、数少ない課長に大きな負荷がかかることになりますね。

 

小林  

はい。「現場力強化」を中期経営計画で掲げましたが、そのためにも課長の支援・強化が不可欠です。方策の1つとして、これまで2年に1回だった課長対象の多面観察を、2011年から毎年行うようにしました。結果を本人に伝え、行動改善につなげてもらうわけですが、必要な場合は個別にコーチもつけるようにしました。また、当社でもメンタル不全を訴える社員がいて、その負担の多くが課長に回っていきます。そうした負担を軽減するため、キャリアカウンセラーや臨床心理士と社員の面談の機会を増やすなどして、メンタル未然防止と発生した場合の適切な処置に向けたケアをしています。

 

大久保  

そこまできめ細かくやると課長力は大きく伸びるでしょう。育成の研究をしていて最近わかったことがあります。上に立つ人にはリーダーシップが必要だ、とよくいわれますが、そもそもリーダーシップは上に立つ前に磨かれなければならないのです。取引先と良好なパートナーシップを結ぶ力、同僚との協働力、上司に対してうまいフォロワーシップがとれる力、こうしたものがあって初めてリーダーシップが生きる、もしくはその3つの総体がリーダーシップなのです。

 

小林  

その通りだと思います。人事部門はリーダーシップが社内できちんと開発されているかどうかを定量的に測る努力をするべきです。たとえば上司や部下などによる多面観察において、リーダーシップに関連する評価項目を経年で集計していくと、順調に開発されているかどうかを把握することができます。そういう人材開発データを、人事部門は経営に報告する義務があると思います。

 

大久保  

大変興味深いお話です。私も多面観察をうまく使えばリーダーシップを高めるモデルができると思っています。

(TEXT/荻野 進介 PHOTO/刑部 友康)

 

     
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