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未来予測ロゴ   創業50周年を機に、人事施策でボトムアップ推進
     
大久保  

現在は、売上げ2兆円を目標に第3次中期経営計画に取り組んでいるそうですが、その先にも、2055年の創業100周年に10兆円の企業グループになるという非常に長期の視界をお持ちですね。

 

河合  

だいぶ先のようですが、人事としては、そのときに必要な人財基盤をいかに築いていくかが、今から重要なテーマになっています。

 

大久保  

2005年の創業50周年から、新たな人事施策を積極的に立ち上げています。

 

河合  

50周年は、次の50年がどうあるべきかを考えていく大きなきっかけでした。そこで、社内にボトムアップの気運を起こすような人事施策をいくつか導入したのです。

 

大久保  

御社は、創業者の強いリーダーシップで成長してきた会社というイメージがあります。

 

河合  

激動の時代はトップダウンも必要でしたが、それがだんだん落ち着いて、今は変革を起こしていかなければならない時代になった。こういう時期は、社員のモチベーションや一体感が不可欠です。まずは人事制度をボトムアップ型にしていくべきだと考えました。

 

大久保  

人事制度を使ってトップダウンとボトムアップのバランスを取ったということですね。どのようにしてボトムアップを実現させたのですか。

 

河合  

全社員に、給与や福利厚生などの項目でアンケートを実施しました。当時は社員数1万1000人ほどでしたが9000人の回答を集め、そこから社員が望んでいることを反映させた新たな人事施策を、一挙に14制度つくり上げました。

 

大久保  

社員の総意として実現させたのですね。そのなかで目玉になった制度は?

 

河合  

「次世代育成一時金制度」は反響がありました。社員アンケートでも出産時の費用に関する要望は多かったのです。それで、月々5000円支給していた子ども手当を、出産時にまとめて100万円払う形に変えました。導入後6年間で生まれた子どもは4600人ですから、かなりの少子化対策になっていると思います。ほかには、最大100日まで増やせる「有給休暇積立制度」は入院や介護に利用されています。しかし6年も経てば古くなっているところもあるはず。このあたりで、またアンケートをとって見直すよう言っています。自分がつくった制度は変えたくないものですが、制度を壊すのもまた人事の仕事です。

 

     
未来予測ロゴ   公募研修制度で、幹部候補を本社から可視化
     
大久保  

人材育成に関しては、どのようなボトムアップ制度がありますか。

 

河合  

「支店長公募育成研修制度」があります。支店長になりたい人に自薦他薦で手をあげさせ、その後教育を行います。また、グループを含む役員候補については、役員推薦による「大和ハウス塾」という研修があります。代表取締役会長の樋口武男も次の経営者候補は見ておきたいとのことで、1泊2日の研修期間中一緒に泊まって面接や懇親会を行っています。2011年の4期生までで累計175人が受講し24人が実際に役員登用されました。

 

大久保  

公募制度を導入している会社はありますが、公募したあとに教育を行うという考え方が面白いですね。

 

河合  

本社からは、支店長候補にあたる営業所長や部門課長クラスの人財がどんな人物なのかが、なかなか見えない。業績のよい人は目立ちますが、本当にリーダーシップがあるか、経営への情熱があるかは伝わってきません。

 

大久保  

業績の良い人が必ずしもいい管理職になるとは限らない。それぞれの候補者の特徴を見て、足りない部分を事前教育で補完していくわけですね。

 

河合  

配属先の判断にも役立っています。全国の事業所にはそれぞれ各地の県民性があり、合う合わないがどうしてもありますから。

 

     
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