対談タイトル
未来予測ロゴ   全国展開を進めると同時に各地のローカル化を推進
     
大久保  

2011年の東日本大震災では、コンビニエンスストアがあらためて見直されました。

 

村山  

ライフラインとしてのコンビニということですね。15年前の阪神・淡路大震災の経験もあり、こういう時に役に立たなくてどうするんだという気持ちが、皆にありました。

 

大久保  

全国どこでも同じ安心感、同じサービスのコンビニエンスストアのはずが、あの瞬間は、地域の店舗、地域の事業に見えました。

 

村山  

ありがたいことです。地域の方々にセーフティステーションとして受け止めていただいていることを、我々は一層自覚しなければなりません。より地域に密着している加盟店の方々は、特に強く感じていると思います。

 

大久保  

よく、グローバル化かローカル化かという言い方をしますが、グローバル化が進んでいくということは、実は同時にローカル化も進行しているということ。御社はまさにそれです。日本で完成されたモデルを他国の実情に合わせてアレンジして展開していくうちに、日本もローカルの1つになり、よりローカルの実情に合った形に変貌していく。全体と部分のバランスが非常によく保たれている。

 

村山  

全国同じ商品を店頭に並べるのではなく、その町その町で求められる地域に密着した「マチのほっとステーション」を目指しています。チェーンとしては同じものをつくるほうが効率的ですが、あえてそうではない道を進んでいるのです。

 

     
未来予測ロゴ   外国人社員を埋没させないために3割の比率で採用
     

大久保

 

 

御社では、ほかの企業に先んじて5年前から留学生採用を始めました。当時から日本人社員と同じキャリアパスです。そこには、どのような考えがあったのでしょう。

 

村山  

内なる国際化が目的です。日本人と外国人が当たり前のように机を並べて働く企業を目指し、新卒採用の3分の1を目標にしました。

 

大久保  

最初から3割。

 

村山  

3分の1はいないと、全体のなかで埋没してしまうからです。それでは外国人採用をやったという事実があるだけで何の意味もない。日本人社員同様、販売やスーパーバイザーをやってもらうこと、特別扱いもしないが区別もしないことを約束して採用しました。初年度を除いて、2〜3割の外国人採用を継続しています。

 

大久保  

累計100人以上になるそうですが、効果はいかがですか。

 

村山  

まず目立ったのが、日本人新入社員の活性化です。研修が始まってみると外国人のほうが積極的でリーダーシップもある。日本人はかなり刺激を受けたようです。受け入れ現場も最初は敬遠しがちでしたが、配属してみると非常に評判がよかった。ただ5年たって、反省すべき点もあります。現在、その優秀だった外国人社員が日本人の1歩先、2歩先のキャリアを進んでいるわけではないからです。特別扱いしないことは本当にいいことなのか見直しが必要です。それでも定着はうまくいっています。人事にいたベトナム人、中国人、韓国人などの女性スタッフが個人的にメールや電話で彼らの相談に乗ってくれていたからです。彼女たちの貢献は大きかった。

 

大久保  

日本人と区別しないことが平等とは限らない。日本ルールでやるということ自体が、外国人にとってはハンディキャップです。

 

村山  

そうなんです。中国、韓国、台湾などの漢字圏はまだいいですが、タイやインドネシアなどの非漢字圏出身者は、報告書ひとつにしても苦労があります。そうしたハンディをどう見てあげるか、ルールができていません。

 

大久保  

その人たちが本社スタッフとして働くようになり、ルールをつくる側になるとまた変わってくるでしょう。

 

村山  

はい。第1期生がようやく本社で活躍し始めるので、これからです。

 

大久保  

内なる国際化のためには、ぜひ、外国人管理職が出てきてほしいですね。

(TEXT/荻原 美佳 PHOTO/刑部 友康)

 

     
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