Column

インドに進出した日系企業は、これまで現地で多くの雇用を創出してきた。現在は技術系人材のソーシング(発掘)にも注目している。
RGFインドの取締役 R・スレッシュ氏は、インドで事業展開する日系企業は経営幹部の配置を問い直す時期にあると言う。日本の駐在員と、インドで採用された現地人材。どのような役割分担にすれば、より良いパフォーマンスが出せるのか。

◆ 日・印の2トップ体制から脱却し、より迅速で経済的な管理体制を。

◆ 任期が短い日本人駐在員のCEOから現地採用のCEOに置き換えて、リーダーシップを継続させる。

 


リーダーシップをインド人に

在インド日系企業の雇用者数は、外資で2位
日系企業の対インド進出における長い歴史の中でも、過去10年間は投資案件の伸びや新興企業の流入が目覚ましい。インドに進出する日系企業の業種は、医薬品、自動車、サービスなど幅広く、2000年4月~2014年2月の累積FDI流入総額は3000億米ドルを超えた(出所:インドNIC)。各企業は、大規模な工場施設、物流拠点、研究開発センター等を設置して数多くのインド人を雇用している。
現在、インド国内にある日系企業は、約1500社。代表的な企業が雇用する現地人材の数は、トヨタが1万人、スズキが2万5000人、東芝が8000人、日立製作所が9000人、ホンダが1万5000人、パナソニックが8000人と推定される(正規雇用、非正規雇用、共同事業や下請け企業の雇用を含む)。
外資企業によるインド市場での雇用人数を見ると、日本はアメリカに次いで第2位。日系企業は、インド国内での資産構築、収益の増加、一般家庭へのブランド浸透、ビジネスの成長維持などを瞬く間に実現し、インドや他の外資系企業と肩を並べるどころか追い越すほどになったと認識されている。

注目されるインドの技術系人材
2013~2014年、対インドFDI総額は350億USドルで、そのうち日系企業のみの投資は40億米ドルであった(インドNIC)。
日本がインドで新たにターゲットとする分野は、インフラ整備の支援と、技術系人材のソーシング(発掘)である。インフラ整備では、日本の政府機関や企業が現地の団体と協力して、スマート・シティ、経済特区、貨物専用鉄道、集合運搬、電力、そして輸送など大規模なインフラ建設プロジェクトに出資している。デリーとムンバイを結ぶ過去最大の貨物専用鉄道DMIC(デリー・ムンバイ産業大動脈)の建設もその一例である。
技術系人材のソーシングでは、今後、日系企業は膨大なハイレベル技術系人材をターゲットにしていくと思われる。インドでは毎月100万人の新たな労働力が創出されており、雇用の受け皿が必要である。新たな労働人口の多くは非技術系人材だが、インドの技術系大学が輩出するエンジニアは年間約20万人。今やデザインとエンジニアリングにおいて世界の中心という地位を築いている。航空テクノロジー大手のハネウェル(Honeywell)がグローバル・プロジェクトのためにインドで1万1000人の優秀なエンジニアを採用しているほか、ボーイング社やGM、フォード、ベンツ、キャタピラー、ジョン・ディアを始め100社を超える自動車メーカーもインド人エンジニアを採用している。
日系企業では、NTT、NEC、東芝などが、グローバル製品の開発および技術革新の需要に対応すべく、インドのエンジニア人材に関心を寄せている。日系企業はインドの研究開発センターに投資している企業もあり、今後は主要製品のデザイン分野にインドを統合して行くものと思われる。

インド国内の技術センターおよび製品開発センターの従業員数

2015年02月27日