対談タイトル
プロフィール
未来予測ロゴ   成熟期こそお客様満足を重視。現場力アップが最重点課題
     
大久保  

中期ビジョンで「変革とチャレンジ」を掲げています。人事面にブレークダウンすると、どのような課題になるのでしょうか。

 

吉澤  

モバイル市場は成熟期に移行しています。契約数の大幅増を競う時代は終わりました。今こそ原点に戻り、お客様の満足を最も大事にする企業に変革していくことが大きなテーマになっています。おかげさまで2010年のお客様満足度調査では、個人部門でも1位を獲得しました。法人部門では既に3年連続で1位になっており、お客様に「ドコモでないと困る」と思っていただける企業にだいぶ近づけたのかなと思います。こうした状態を今後さらに向上させていくために人事面で求められるのは、現場力をいかに高めていくかということだと思います。私たちの販売活動は、ドコモショップを始めとして実際には代理店が行っています。ドコモ社員が行うのはそのサポートが主ですから、直接はお客様に接していません。そんななかでどう現場力を高めていくか。そこが今後の大きな課題になると思います。

 

     
未来予測ロゴ   客接点を意識的に増やし、現場力を養う
     
大久保  

現場力とは、具体的にどのような力なのでしょうか。

 

吉澤  

コミュニケーション力、提案力。そして、お客様の立場に立って考えられる力。これらを身につけられる職場は、ドコモの場合、ユーザーである企業に直接営業を行っている法人営業部門くらいです。ほかの部門はバックヤード意識が強く、どうも現場に対して腰が引ける傾向がある。たとえば、トラブルの原因がいちばんわかるのは自分だという場合でもなかなかお客様の前に出たがらない。これは私が法人営業部門を担当していた間、痛切に感じていたことです。すべての社員が、自分も常にお客様に接していると思ってものを考えていかないと、なかなかお客様満足度は向上していきません。

 

大久保  

皆が顧客への責任を担っているつもりでやる。それが競合との差別化になるわけですね。

 

吉澤  

おっしゃる通りです。自らお客様のところに足を運び「よく対応してくれた」という言葉をいただく体験をすると、お客様の信頼を得たことの喜びを、心底感じられるようになる。そういう体験を皆にしてほしいと思っています。

 

大久保  

そのためにどのようなことが必要になるでしょうか。

 

吉澤  

意図的に、お客様に接する仕組みをつくることだと思います。新入社員は技術系も含め、最低でも4カ月間ドコモショップで研修します。中堅社員に対しても、一部の課長クラスにはドコモショップ店長を経験させています。ネットワーク部門の技術者には、お客様からの申告の際は、48時間以内にお客様の現場に行くことを義務付けたり、コールセンターでは直接お客様と話すのは協力スタッフやスーパーバイザーであっても、管理者や本社社員が定期的に生の声に目を通す仕組みを設けたりしています。

     
未来予測ロゴ   潜在ニーズをつかむには、複数の現場体験が必要
     
大久保  

コミュニケーション力も現場力の1つだと思いますが、その中身が最近は進化しているようです。「話す」ことで理解し合うという単純なものではなく、想像したり慮ったり、というように、相手の立場に立って自分のなかで考えることも併せて求められるようになっている気がします。

 

吉澤  

そうです。お客様自身も気づいていない潜在的課題をいかにとらえるかがより重要になっています。でも、それは現場に行かないと絶対にわからないのです。

 

大久保  

あるドコモショップでお客様のニーズを感じても、それは多様なニーズのごく一例でしかない。いくつか違う現場を経験させることも大事ですね。

 

吉澤  

そのとおりです。幅広く経験することが大事。事務系についてはローテーションでいくつかの現場を体験させています。研究開発職は、新人時代のドコモショップ研修以降、なかなか機会がないのですが、今後はもっと積極的に販売店でお客様の声を直接聞く経験をする仕組みをつくっていくべきだと思っています。

     
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