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フリーランサーは就業者の7%、約440万人 孫亜文

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時間や場所にとらわれず、企業にも雇われず、仕事を請け負って働く人たちが増えている。通称「フリーランス」と呼ばれている人たちだ。アメリカでは、フリーランスが作り上げている経済「ギグ・エコノミー」が、アメリカ経済の主流になるという予測もある(※注1)。日本においても、彼らのように雇用されない働き方が一つの選択肢となっていくと考えられ、注目されている。しかし、フリーランスの定義が一意的に確立されていないために、既存の公的統計では人口規模を把握できていない。

そこで、「全国就業実態パネル調査」(2018)を用いて、フリーランスの人口規模の算出を試みた。ここでは、フリーランスの定義を、①雇用者のない自営業主もしくは内職であり、②実店舗をもたず、③農林漁業(業種)従事者ではない、としている。

 

図1 就業者全体に占めるフリーランスの人口規模

本業をフリーランスとして働いている人(本業フリーランサー)は、就業者全体の4.8%に相当する約300万人であることがわかった(図1)。また、本業のかたわらに、副業をフリーランスとして働く人(副業フリーランサー)も約140万人いることがわかった。日本において、フリーランスで働く人は、就業者の7%、約440万人であるようだ。

図2 本業フリーランサーと雇用者の職種分布(%) ※クリックで拡大します

職種をみてみると、雇用者と比べて、専門職・技術職が35.5%と多い(図2)。既存の職種に分類しにくい仕事(分類不能の職業)も32.8%と高く、雇用者と大きく仕事内容が異なる様子がうかがえる。

 

図3 本業フリーランサーと雇用者の週労働時間と年収

彼らはどのような働き方をしているのだろうか。本業フリーランサーに着目し、職種、労働時間および年収について、雇用者と比較してみた。

労働時間と年収も雇用者とは傾向が異なる(図3)。本業フリーランサーの場合、約6割が週35時間未満と短時間勤務者が多い。仕事が少ないという可能性もあれば、フルタイムで働く家族がいるために仕事量を多くする必要がない可能性もある。また、時間の縛りがないからこそ、短時間に集中して仕事を終わらせ、プライベートを充実させるというメリハリのある働き方をしている可能性も考えられる。年収をみてみると、約5割が200万円未満と低収入だ。平均年収も雇用者と比べると100万円近く低く、不安定な働き方のように思える。しかし、バラつきの大きさを表す標準偏差(分散)をみると、その値は大きく、年収に幅があることを表している。フリーランスだからといって、必ずしも低収入で不安定だとは限らず、高収入で安定的な働き方をしている人も一定数存在している。

企業に雇用されない働き方は、今後ますます増えていくと予想される。政府を筆頭にその実態把握に乗り出しているものの、まだまだ認知できていない部分は多い。今後も引き続き、フリーランスの規模推移だけでなく、全国就業実態パネル調査を用いた実態把握を試みていきたい。

孫亜文(リクルートワークス研究所/アナリスト)

注1 「フリーランスが作る経済」日経MJ(流通新聞)2018年8月6日付8頁

・本コラムの内容や意見は、全て執筆者の個人的見解であり、所属する組織およびリクルートワークス研究所の見解を示すものではありません。

2018年09月06日