宿泊業の「働き方改革」10のキーワードKeyword5 情報公開による誘客プロモーション

評判を形成するために情報公開を最大限活用したプロモーションを展開

旅行先での写真・動画情報がインターネット上にあふれている。いまや、集客戦略として、リピーターとなっているファンによるSNS への書き込みを活用することは不可欠である。なぜなら、繰り返し来館する顧客がSNS などを通じて主体的に情報発信することで、ブランド価値を高め、潜在顧客に対する認知・浸透を促進することが可能となるからだ。このようなインターネットを介した情報は日本国内のみならず、海外にも伝わり、訪日外国人旅行者の喚起にもつながる。

また、メディアの積極的な活用は、プロモーションに有効な手段である。休館日を設定している場合、従業員を休ませる代わりに、メディアの取材や撮影に施設を使用することで、遊休資産をプロモーションに活用することもできる。メディアを見た層が新たな顧客となるし、併せてキャンペーンを実施して集客につなげることもできる。さらに、メディアへの露出が増えることで、よい評判が企業ブランドにつながり、雇用にもよい影響が出るという好循環を作り上げることができる。

Case Study4
鶴巻温泉 元湯 陣屋(神奈川県)

元湯 陣屋は、休館日に館内の施設を映画などの撮影場所として提供することで、人手はかけずに資産を活用している。またメディアへの露出にも、宿泊業に関する媒体に限らず、経済誌など幅広く積極的に取り組んでいる。自社の新たな取り組みを包み隠さず公開していくことで、旅館に対する固定観念を覆し、集客・ブランド価値向上につなげている。さらに、メディアの情報公開に合わせたキャンペーンを行うなど、一貫した取り組みを行って新たな顧客獲得にもつなげている。