人間らしく持続的な働き方が得られる社会

市場の成熟化、サービス産業化が進むなかで、日本の雇用は多様化しました。長期雇用や年功的に増加する収入を約束された雇用は減少し、期間の面でも収入の面でも、不安定な雇用が増加しました。

誰しもが手にしていた職業能力を向上させる機会は、一部の人に限定されるようになりました。安定した雇用においても、長時間労働が常態化していたり、陰湿なハラスメントが横行しているような職場は少なくありません。しかし、働く人にとって、自身の人権が守られ、働く場所が居心地よく感じられること、その仕事が安定して続き、仕事を通じて自らの能力が高まっていると実感できることは、生き生きと働くうえでの基本であり、重要な前提です。

そのためには、働きたい人が安定して働き続けられること、自身の働きによる所得で自身の生活を成り立たせられること、長時間労働などの過度な負荷がなく、生活との折り合いがついていることが望まれます。また、職業能力の向上に向けた有形・無形の学習機会の提供も期待されます。そして、職場に差別やハラスメントがないこと、公正・公平な場であり、それぞれが人としての尊厳の尊重を約束されていることが不可欠です。

このように安定性、経済性、継続性、発展性、健全性が担保された場で、すべての人々が人間らしく働き続けることができる社会を作り出すために、私たちは探索・発信を行っていきます。