HR Technology 2019シミュレーションアセスメント

実務に近いシミュレーションで真の能力を評価する

Simulation Assessment
代表的なサービス

実際の仕事内容と類似した実務を求職者に体験させ、即戦力となるスキルや知識があるかどうかを見極める。例えばカスタマーサービス担当職を採用する場合、求職者はカスタマー向けのメール作成や電話応対を行う。営業職の場合は、実際の営業現場に見立てたセールスを行う様子を録画する。ソーシャルメディアマネジャー職の場合は、TwitterなどSNSに投稿するコンテンツを実際に作成する。職場における実務を体験させることで、採用するか否かの判断につなげる。

人事との関連性

オンラインでのシミュレーションアセスメントは、求職者がどこにいても、いつでも都合の良い時間に実務の適性テストを受けることができ、企業側も都合の良い時間に審査することができる。シミュレーションアセスメントを取り入れることで、会社に合った人材の採用率が向上し、採用コストの削減が可能となる。さらに、アセスメントやトレーニングの結果といった、新規採用者や従業員に関するデータが蓄積されるため、その後の採用活動や従業員の能力開発に役立てることができる。

サービス例

1.  FurstPerson:スキル・能力別に細分化されたシミュレーションテスト

アイルランドの会社。採用前に実施するアセスメントのコンテンツ、サービス、分析(適性テスト、業務シミュレーター、性格診断など)を提供している。得意分野は、営業、マーケティング、接客、販売職。企業の要望に応じてパフォーマンス結果に直結した採用モデルを構築し、業務に最適な人材を採用する確率を高めることで、特に中小企業が採用の質を向上させるのに役立つ。スキル関連テスト(コンタクトセンターのコールセンター業務・営業・代理店などの業務のロールプレイを行うマルチメディアシミュレーションで、様々なタイプの顧客対応サービスを提供し、求職者のサービススキルを査定する)や、能力査定関連テスト(インバスケット形式で会話スキル、情報処理能力、問題解決能力などを査定するアセスメントテスト)などを提供している。顧客は、The Hartford、Manpower、Liberty Mutual、Bell、Cox、Fiserv、Hyatt、JetBlue、Shelter Insurance、NAPAなど。

2.  GapJumpers:ブラインド・オーディション

性別、年齢、人種、学歴などに関する差別を排除して、実際の能力だけを査定し、差別的要素が分からない「目隠し(ブラインド)」状態でエンジニア、デザイナー、マーケティング職などを採用するためのシミュレーションアセスメント。従来の方法では見つけ出しにくい人材を獲得する。オーディションは2段階に分かれている。①企業は、業務に直接関係のない個人情報を削除したレジュメを受け取る。②求職者は、GapJumpersが提供するスキルテストを受け、企業はその結果のみを受け取るしくみ。人材の選択に必要な業務上の条件は、企業の要望に応じて作成する。課金形態は、顧客がプラットフォームの利用とGapJumpersの求職者ネットワークへのアクセスに年間契約料金(5,000〜40,000ドル)を支払う。ブラインド・オーディションのためのプラットフォーム使用料のみを支払うこともできるし、追加でスクリーニングやソーシングのサービスを利用することもできる。採用が決まっても成功報酬は発生しない。求職者の利用は無料。顧客はDolby、Google、adidas、ihorizonなど。

3.  HireArt:実際の業務のシミュレーションを行うオンライン面接

シミュレーションアセスメントでは、特定の職能を探している企業が、HireArtの作成した定型テンプレートを選択するか、またはテンプレートをカスタマイズし独自のツールを作成する。求職者は、実際に自分のスキルをアピールできるようなテスト課題を4つか5つ選ぶ。課題は、「売り込みのトークを作文しなさい」や、「ビジネスプランを書きなさい」というものである。求職者には課題が掲載されているウェブサイトのリンクが送られ、自分の都合の良い時間に取り組むことができる。課題は、テキスト、ビデオ、ファイルなど様々な形式で行われる。課金形態は、成功報酬、月間契約など企業の要望によって異なる。
HireArtは企業からのフィードバックに基づいて、定型テンプレートをより洗練させる予定で、求職者の技能がより把握できる課題を開発中である。長期的には、HireArtが集積したデータに基づいて、企業の実際のニーズをよく反映した大学のカリキュラム実現に協力する計画がある。

ビジネスモデル(課金形態)

企業がサービス事業者にサービス利用料を支払う
課金形態は、利用人数によるもの、例えば受験者1人ごと、一定人数ごと(10人まで、50人まで、100人までなど)や、月間・年間利用料など様々な料金体系があるが、多くのサービス事業者は課金形態を公表しておらず、企業ごとに個別に設定している。

今後の展望

シミュレーションアセスメントは、場所や時間を選ばず、また、受験直後から応募者のデータが記録されるため、査定結果を次の採用活動や従業員の能力開発の参考にするといった汎用性が高く、今後、利用する企業の増加が予想できる。モバイル端末の機能の向上にともない、現在でも求職者はスマートフォンなどでシミュレーションアセスメントを気軽に受けられるが、今後はAIや機械学習の機能や普及率が向上し、企業は、適性・スキルおよび能力を持つ人材を獲得する可能性が高まるだろう。求職者にとっても、AIや機械学習によって自分向けにカスタマイズされたシミュレーションアセスメントは時間の短縮やストレスの軽減につながるとともに、自分の特性に合った業務や労働環境を見つけやすくなるはずだ。

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