HR Technology Trendsジョブボード

求人・求職サイト

Job Boards
代表的なサービス

ジョブボードは求人・求職サイトである。
総合型と業種、職種、地域などに特化したニッチ型の2種類がある。
企業の求人広告掲載サービスと、サイトへの登録者のレジュメのデータベースを検索するサービスを提供する。
求職活動のサポートや、キャリアに関するサポート、特定の職種に特化した情報提供など、付加サービスがあるサイトが多い。

Monsterのような総合型は、求人情報の業種や職種は多岐にわたる。ニッチサイトは、看護師やエンジニアなど特定の職種の他、学生などの求職者層に特化している。ジョブボードは、人材発掘に使われるSNSやリファラルツール(従業員などによる知人・友人の紹介)など他の手段と競合している。

人事との関連性

人材を採用する際に、採用経路として最も利用しやすいのがジョブボードである。数万あるジョブボードから何を選択するかによって、結果が大きく異なる。最近は採用コストの最適化の側面から、どのような人材の情報がどのサイトに集積されているか、どのような記述やアプローチが最適なのか、テクノロジーを活用して効果測定している企業も多い。また、応募者目線に立った採用方法などを模索している企業も増えつつある。

サービス例

  1. Monster:総合型のメガジョブサイト
    グローバル展開する総合型のメガジョブサイト。企業は有料で求人広告の掲載やレジュメのデータベースの検索ができる。広告掲載料は掲載期間や求人条件などにより、検索利用料はレジュメの属性などにより異なる。求職者は無料でレジュメ登録できるが、オプションでカバーレターやレジュメの作成・添削の有料サービスがある。

  2. CareerBuilder:総合型、ニッチ型の両ジョブサイト
    米国最大の総合型のジョブサイト。管理職向け、新卒者向け、エンジニア向け、退役軍人向け、運輸・物流業界向け、小売業界向け、金融業界向け、医療業界向け、小売業界向けなどのニッチサイトも運営する。

  3. Dice:エンジニアに特化したニッチ型ジョブサイト
    テクノロジー関連職に特化したジョブサイト。iOS開発、Java、Oracle、SQLといったエンジニア系スキルの保有者をレジュメ登録の対象とする。米国、英国、ドイツ、ベルギー、オランダで展開する。

ビジネスモデル(課金形態)

どのビジネスモデルでも企業は有料でサービスが利用できるが、求職者は無料でレジュメ登録ができる。さらに有料のオプションサービスとしてレジュメなどの作成・添削サービスがある。

  1. 企業が求人広告の掲載料やレジュメデータベースへのアクセス料をサービス事業者に支払う
    一般的なビジネスモデルでは、企業は求人広告の掲載料や登録者のレジュメデータベースへのアクセス料を支払う。有料のオプションサービスとして採用ブランドの広告も掲載できるジョブボードもある。


  2. 企業が採用決定ごとの成功報酬をサービス事業者に支払う
    企業は無料で求人広告を掲載できるが、採用が決まるごとに成功報酬を支払う(CloserIQ)。

今後の展望

約20年間で急成長、急拡大し、現在も変化し続けている領域である。大手総合型のジョブサイトと多数の優秀なニッチサイトを擁する成熟した市場であり、今後数年間は求人・求職業界における主力であり続けると見られる。

一方、業界内にはジョブボードを超えたメカニズムを求める動きもある。ジョブボード・アグリゲーターやLinkedInといった新しい人材獲得法が浸透しはじめており、ジョブボードはその脅威に晒されている。ジョブボードが現在の地位に留まるには進化を続ける必要がある。

グローバルセンター
村田弘美(センター長)
鴨志田ひかり(客員研究員)

HRテクノロジーマップ

※クリックすると拡大出所:TTL "Talent Acquisition Technology Ecosystem"を基に再分類し筆者作成(2016.10)

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