定点観測 日本の働き方副業

総務省「就業構造基本調査」によると、副業している人の割合は、2012年の3.6%から2017年は4.0%と0.4%pt上昇したが、おおむね横ばい傾向が続いている(図1)。

リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査(JPSED)」を使って、副業した人の実施理由をみてみよう(図2)。「生計を維持するため」(48.4%)や「生活を維持する最低限の費用以外に、貯蓄や自由に使えるお金を確保するため」(34.6%)など経済的な理由で副業をする人が目立つ。また、「時間にゆとりがあるため」の回答割合も比較的高く、本業で長時間労働に従事しているなどで時間的に余裕がないと、副業は厳しいということがわかる。

一方で、副業を現在していないが、今後したいと思う人の割合は33.5%となり、実に3人に1人が副業を希望していた。副業をしたい理由を聞いてみると(図2)、やはり経済的な理由で副業を希望する就業者が多くなっている。副業実施理由でも経済的事情が多数を占めることと合わせると、本業のみでは経済的に満足できていない人の多さが確認できる。また、「新しい知識や経験を得るため」も20.9%で高く、キャリア向上のため副業を希望する人も一定数いることがわかった。年齢別で副業希望理由をみてみると、35歳以下の若年層の方が、「新しい知識や経験を得るため」は5.2%pt高くなっている(図3)。

本業での教育訓練機会が限られている場合、副業を若手の成長機会として捉えてもいいかもしれない。副業で学んだことを本業に活かすことができれば、企業側にもメリットはあるだろう。同様に本業で満足な所得を稼げない場合は、本業に支障が出ない限り、副業を認めてもいいかもしれない。副業・兼業を推進していくことで、働く人がその専門性や能力を柔軟に発揮できる機会を増やし、生産性の高い社会を実現していくことを目指していく必要がある。

図1 副業の実施比率と実施人数
出典:総務省「就業構造基本調査」

図2 副業実施理由と希望理由
※クリックで拡大します
出典:リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査(JPSED)2018」
注:x18を用いたウエイト集計を行っている。

図3 年齢別の副業希望理由(2017年)
出典:リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査(JPSED)2018」
注:x18を用いたウエイト集計を行っている。

文責:茂木洋之(研究員・アナリスト)
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