定点観測 日本の働き方有給休暇

厚生労働省「就労条件総合調査」によると、2017年の有給休暇取得率は51.1%と前年から1.7%pt増加した(図1)。有給休暇平均取得日数も9.3日と前年比で0.3日の増加となった。近年、有給休暇の取得率は緩やかな上昇傾向にあるものの、その伸びは極めて緩やかなものにとどまっている。2020年において有給取得率70%以上を目指すという政府目標(※)の達成は、困難な状況にある。

就労条件総合調査は従業員30人以上の民営企業を対象とした企業調査であるが、個人調査であるリクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査(JPSED)」でみるとどうか。JPSEDをみると、事業所規模が小さい企業で働く人の有給休暇取得率が低く、その改善の度合いも小さい(図2)。大企業と中小企業の格差はますます拡大しており、有給休暇取得率の一層の向上のためには、中小企業にまでその動きを広めていく必要があろう。

また、高位の管理職に就いている人の有給休暇取得率が低いことも大きな課題である。上司は部下の行動に大きな影響を及ぼすからだ。どうすれば日々多くの業務に追われる管理職に有給休暇を取得させることができるか、個々の企業は社内におけるマネジメントを大きく見直す必要に迫られている。

※政府目標:2020年において有給休暇取得率70%以上

図1 有給休暇取得率と平均取得日数
出典:厚生労働省「就労条件総合調査」

図2 有給休暇をおおむね半分以上取得できている人の割合(正規雇用者)
出典:リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査(JPSED)2017、2018」
注:おおむね半分以上有給休暇を取得している割合については、有給休暇の取得状況の設問について、「すべて取得できた(100%)」「おおむね取得できた(75%程度)」「おおよそ半分は取得できた(50%程度)」を合計をした割合を示している。x17、x18を用いたウエイト集計を行っている。

文責:坂本貴志(研究員・アナリスト)
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