定点観測 日本の働き方長時間労働

総務省「労働力調査」から、週労働時間が60時間以上の労働者(長時間労働者)の割合をみると、2018年は6.9%と前年から-0.7%ptと大きく低下し、長時間労働者の比率は着実に低下している(図1)。ただし、政府目標(※)の達成にはまだ遠く、さらなる長時間労働の削減が必要となる。

2019年4月からは、働き方改革関連法案の施行により、月45時間以上の残業は原則禁止となる。しかしながら、リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査(JPSED)」を用い、月45時間以上残業(長時間残業)している雇用者の数を推計すると、2017年において864万人(雇用者に占める割合:14.8%)と、かなりの数となる。トラックドライバーやタクシードライバー、小中高教員、広告出版マスコミ専門職など特定の職種ではその割合が3割を超えている(図2)。

多数の雇用者が規制の対象となる現状を踏まえると、規制当局がこれをどう監督していくかには大きな課題が残る。働き方改革の理念を浸透させていくためには、行政上のルールと実態との整合性をどう担保するかを考えていかなくてはならず、これからが正念場となるだろう。

※政府目標:週労働時間60時間以上の雇用者の割合を2020年までに5%以下

図1 長時間労働者の割合
出典:総務省「労働力調査」

図2 月45時間以上残業している人の割合(職種別、2017年、推計値)
※クリックで拡大します
出典:リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査(JPSED)2018」
注:JPSEDを用いた推計値。所定内労働時間を7時間45分、年間の祝日数を16日と仮定し、週労働時間と週労働日数の値を用いて推計を行った。推計式は、(((週労働時間/週労働日数)-7.75)×(365-16)×(週労働日数/7))/12。x18を用いたウエイト集計を行っている。

文責:坂本貴志(研究員・アナリスト)
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