HR Tech Roundup  海外のHRテクノロジー最新ニュース動画アプリのTrillerが動画で求人に応募する求人求職サービスに参入、ほか

海外HR Techニュースリリースまとめ(2022年2月)

米国動画アプリのTrillerが、Job.comと提携し、ビデオ履歴書を作成して応募する求人求職サービスに参入する。
M&Aでは、タレントエクスペリエンス管理プラットフォームのPhenomが、従業員同士の交流や協働を促進するドイツのTandemployを買収した。欧州でのプレゼンスを強化する。
ATSプロバイダーのSmartRecruitersが、求職者の興味関心に合ったコンテンツを自動表示するキャリアサイト構築システムのAttraxを買収した。
調査関連では、Glassdoorは、給与も満足度も高い米国の職種ランキングを発表した。
資金調達関連では、AIを搭載したアウトバウンド採用プラットフォームのhireEZ(旧Hiretual)が2600万ドルを資金調達した。

  • 【新サービス・新機能】

    Triller、動画で求人に応募する新しい求人求職サービスへの参入を発表

    ミュージックビデオ風のプロ並みの動画を瞬時に作成できる動画アプリのTrillerは、AIを活用した採用プラットフォームのJob.comと提携し、求職者がビデオ履歴書を作成し、求人に応募するサービスへの参入を発表した。求職者の興味関心、専門スキル、希望職種などをもとに、AIで求職者と数百万件の求人とを自動的にマッチングする。2022年後半に米国内でサービス提供を開始する。
    Job.com共同創立者兼チーフ・ビジョナリー・オフィサーのArran Stewart氏は、「Z世代やα世代など、これから社会に出る人たちはデジタルの世界で育ってきた。若者のデジタルライフと採用プロセスをシームレスに融合し、テクノロジーと時代の変化に合わせてリクルーティングを進化させる」と説明する。
    Trillerのダウンロード数は3億5000万を超え、世界的に人気を集めている。Alicia Keys、Cardi B、Eminemなどの有名アーティストがTrillerでミュージックビデオを作成している。(2月4日 Business Wire)
    https://www.businesswire.com/news/home/20220204005053/en/Triller-and-Job.com-Partner-to-Launch-Video-Resumes-for-Creator-Economy

  • 【M&A】

    Phenom、Tandemployを買収

    Phenomは、従業員体験に関連する企業の課題解決をサポートするドイツのHRテック企業のTandemployを買収した。英国、アイルランド、オランダ、フランス、イタリア、スペイン、スウェーデン、スイスに加えて、ベルリンにも拠点を得た。
    2013年設立のTandemployは、従業員のスキルに関するデータと個人の目標をもとに、同僚、メンター、プロジェクトリーダー、特定分野の専門家とマッチングさせ、ペアを提案する。従業員同士の交流や協働、ソリューションの新規開発を促す。
    Phenomのタレントエクスペリエンス管理(TXM)プラットフォームは候補者、従業員、リクルーター、部署のマネジャーの体験向上を目的とした4つの製品によって構成される。キャリアサイト、チャットボット、CRM、SMS、メールマーケティングキャンペーン、社内モビリティ、ダイバーシティ&インクルージョン、ギグ、リファラル、アルムナイネットワークといった機能を備える。Tandemployの買収で、社内異動機能を強化する。また、人材の発掘、従業員の学習や成長、マネジャーのデータにもとづいた採用決定をサポートする。(2月3日 Business Wire)
    https://www.businesswire.com/news/home/20220203005039/en/Phenom-Acquires-Employee-Experience-Innovator-Tandemploy


    SmartRecruiters、Attraxを買収

    ATSプロバイダーのSmartRecruitersは、求職者の興味関心に合ったコンテンツを自動表示するパーソナライズされたキャリアサイト構築システムのAttraxを買収した。Attraxは、社名をSmartRecruiters Attraxに変更する。ATSと連動し、データを活用したキュレーション型のキャリアサイトを構築する統合サービスとなる。
    Attraxを利用することで、企業はドラッグ&ドロップの操作だけでキャリアサイトのコンテンツを更新できる。サイトに掲載した求人情報は、Google for Jobやジョブアグリゲーターの上位に自動的に表示される。
    現在のキャリアサイトの多くは、募集職種を表示するだけで検索機能が低い。求職者が関連性の高い情報を見つけられず、離脱してしまうといった課題に対処する。候補者体験を向上させ、応募者のコンバージョン率を50%以上アップさせる。SmartRecruitersの主な顧客は、Bosch、LinkedIn、Skechers、Visaなど。(2月3日 SmartRecruiters)
    https://www.smartrecruiters.com/news/smartrecruiters-announces-acquisition-of-career-sites-leader-attrax/

  • 【決算】

    Fiverr、第4四半期は、前年同期比43%の増収

    フリーランサーが自分の特技や趣味を生かしたサービスを5ドルから出品できるフリーランサーマーケットプレイスのFiverrは、第4四半期および通年決算を発表した。
    第4四半期の売上高は、前年同期比43%増の7980万ドル、売上総利益率は80.9%となった。アクティブバイヤー数は、同23%増の420万人に達し、バイヤー1人あたりのサービス利用金額は、前年同期の205ドルから242ドルに増加した。
    通年の売上高は、前年比57増の2億9770万ドル、売上総利益率は82.6%となった。(2月17日 Fiverr)
    https://investors.fiverr.com/press-releases/press-releases-details/2022/Fiverr-Announces-Fourth-Quarter-and-Full-Year-2021-Results/default.aspx


    Upwork、第4四半期決算は、前年同期比29%の増収

    フリーランサーマーケットプレイスのUpworkは、第4四半期および通年決算を発表した。第4四半期売上高は、前年同期比29%増の1億3700万ドルとなった。このうちマーケットプレイス部門の売上高が同29%増の1億2500万ドルであった。
    グロスサービスボリューム(企業によるプラットフォーム上の利用料と、企業およびフリーランサーが支払うその他サービスの利用料を含む)は、同41%増の35億ドルであった。
    通年の売上高は、前年比35%増の5億300万ドルとなった。(2月12日 AIM Group)
    https://aimgroup.com/2022/02/12/upwork-q4-2021-changing-employment-scene-boosts-revenue-29/


    LinkedIn、第2四半期は、前年同期比37%の増収

    Microsoftは、LinkedInの第2四半期売上高を発表した。売上高は、前年同期比37%増となった。マーケティングソリューション事業における広告需要の伸び(同43%増)と、雇用市場の改善による人材ソリューション事業の回復に起因する。Microsoftの総売上高は、同20%増の517億3000万ドルだった。
    Microsoft会長兼CEOのSatya Nadella氏によると、LinkedInでは、1週間あたり2万4000件以上のイベントが作成されており、世界最大級のイベントプラットフォームの1つとなっている。参加申し込み件数は150万件に達する。(1月26日 LinkedIn)
    https://news.linkedin.com/2022/january/linkedin-business-highlights-from-microsoft-s-fy22-q2-earnings

  • 【調査】

    Glassdoor、給与と満足度も高い米国の50職種ランキングを発表

    企業口コミ投稿サイトの Glassdoorは、「50 Best Jobs in America for 2022」を発表した。50職種ランキングは、従業員の満足度評価、2021年12月12日時点での求人数、年収の中央値にもとづく。求人数が2000件以上、給与および従業員の満足度評価に関する投稿が100件以上の職種を対象とした。
    ランキングの1位の職種は、エンタープライズアーキテクト(年収の中央値は14万4997ドル、求人件数は1万4021件)。フルスタックエンジニア、データサイエンティスト、DevOps エンジニア、戦略マネジャー、機械学習エンジニア、データエンジニア、ソフトウェアエンジニア、Java開発者、プロダクトマネジャーと続く。
    50職種中24職種を技術職が占めた。また、上位10職種のうち7職種が「ソフトウェア」または「エンジニアリング」分野であった。
    50職種全体の平均年収は10万7304ドルと、米国の平均年収(5万6310ドル)を大きく上回った。年収の中央値が10万ドル以上の職種は、27職種あった。精神科医(22位)の年収の中央値は25万2385ドルと、50職種の中で唯一20万ドルを超えた。(2月24日 Glassdoor)
    https://www.glassdoor.com/blog/what-we-learned-best-jobs-22/

  • 【資金調達】

    Hiretualが hireEZに社名変更、Conductive Venturesなどから2600万ドルを資金調達。資金は、製品イノベーションの強化、オペレーションの拡大、人員増強などに充てる。hireEZは、AIを搭載したアウトバウンド採用プラットフォームである。未開拓の人材プールへのアクセス拡大、候補者エンゲージメントの自動化、主要ATSおよびCRMプラットフォームとの統合といった機能を備える。企業は、45以上のオープンウェブプラットフォームに登録されている7億5000万人以上の求職者のプロフィールにアクセスできる。求職者による応募を待つのではなく、積極的に優秀な人材を発掘する。

    https://hireez.com/newsroom/hiretual-raises-26m-funding-make-outbound-recruiting-easy/

TEXT=杉田真樹