Works Index 2019IndexⅤ ディーセントワーク

IndexⅤ「ディーセントワーク」は小幅低下

IndexⅤ「ディーセントワーク」は、2018年の57.4ptから2019年の57.1ptへと小幅低下した(前年比▲0.2pt、図表3-5-1)。

Indicatorの内訳をみると、IndicatorⅤ-1「仕事量や負荷が適切である」とⅤ-5「安全な職場で本人も健康である」は、それぞれ59.8pt(同▲1.2pt)、48.3pt(同▲0.4pt)と、2018年から一転して低下した。IndicatorⅤ-2「差別のない職場である」とⅤ- 4「労働者の権利を確保する組織・手段がある」は、それぞれ77.6pt(同+0.2pt)、31.1pt(同+0.5pt)と引き続き上昇傾向であるものの、Ⅴ-3「ハラスメントがない職場である」は、68.8pt(同▲0.2pt)と小幅ながらに低下している。

図表3-5-1 IndexⅤとその内訳
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労働時間の縮減によって、
仕事の密度が上がり、業務負荷は上昇

IndicatorⅤ-1「仕事量や負荷が適切である」が大幅に低下した背景を、労働時間との関係性から探ってみたい。「処理しきれないほどの仕事であふれていた」という業務負荷についての設問に「あてはまる」「どちらかというとあてはまる」と答えた人の割合をみると、2019年で23.2%と前年の21.6%から上昇していることがわかる(図表3-5-2)。次に、週労働時間別にその割合をみると、2017年や2018年に比べ、2019年の3544時間の労働者で上昇していることがわかる(図表3-5-3)。業務量の調整なしに、労働時間が縮減された場合、時間あたりの仕事の密度が上がり、業務負荷の高まりにつながる可能性がある。

図表3-5-2 業務負荷を感じている割合
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図表3-5-3 業務負荷を感じている割合(週労働時間別)
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業務負荷の上昇から、健康状態は悪化

業務負荷の上昇はなにをもたらすのだろうか。「頭痛やめまいがする」など5つの健康状態のいずれかに不安を感じている人の割合をみると、2018年の59.6%から2019年の62.0%へと増加している(図表3-5-4)。また、業務負荷がある人や長時間労働である人は、健康状態に不安を感じやすいこともわかる。

図表3-5-4 健康状態に不安を感じている割合
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健康状態の5つの項目について、この1年の変化をみると、「頭痛やめまいがする」「ひどく疲れている」(前年比+1.3%pt)や「気がはりつめている」(同+1.7%pt)など、すべての項目で不安を感じている人の割合が増加している(図表3-5-5)。業務負荷の上昇によって、心的負荷も上昇し、健康状態の悪化につながっている可能性は高い。無駄な業務の洗い出しや、業務の切り分けなど、業務量を見直す取り組みが必要だと考えられる。

図表3-5-5 健康状態に不安を感じている割合(健康状態の5項目別)

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ハラスメントを見聞きした人は2年連続で増加

「パワハラ・セクハラを受けたという話を見聞きしたことがあった」という設問に「あてはまる」「どちらかというとあてはまる」と答えた人は、2018年の18.9%から2019年の19.5%へと小幅に増加し、2017年(16.1%)から2年連続で増加傾向にある(図表3-5-6)。

図表3-5-6 職場における差別・ハラスメントの見聞き・労働者の権利に関する状況
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企業規模別の状況をみると、大企業に勤務する労働者の方が、ハラスメントを見聞きした割合は高いことがわかる(図表3-5-7)2018年はハラスメントに関する報道が多く、多くの人の主観に強く働きかけた可能性があり、全体的にハラスメントを見聞きした割合が増加したと考えられる。2019年は、20206月からパワハラ防止法が施行されることを受け、パワハラ防止への取り組みを強化する企業が増えた可能性があるだろう。それにより、以前は気づかなかったハラスメント行為を見聞きするようになっただけでなく、取り組み強化によってハラスメントが実際に減った場合もあると考えられる。パワハラ防止法の施行によって、すべての企業において、ハラスメントがなくなることに期待したい。

図表3-5-7 ハラスメントを見聞きしたことがある割合(企業規模別)
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