Works Index 2019IndexⅠ 就業の安定

IndexⅠ「就業の安定」は上昇

IndexⅠ「就業の安定」は、65.2pt から65.9pt(前年比+0.7pt)と、この1年間で上昇した(図表3-1-1)。2017年から2018年の間の上昇(63.6pt →65.2pt)と比べると鈍化しているものの、この1年で就業の安定が進んだことがわかる。就業状態に関連するIndicatorⅠ-1201912月時点で就業しているもしくは就業意欲が高い」、IndicatorⅠ-32019年の各月において就業している」、IndicatorⅠ-4「転職入職者の無業期間が短い」、IndicatorⅠ-5「雇用継続の可能性が高い」はそれぞれ69.6pt(前年比+0.8pt)、64.6pt(同+1.0pt)、66.5pt(同+1.0pt)、58.4pt(同+0.8pt)としっかりと上昇している。

図表3-1-1 IndexⅠとその内訳
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男女別にみると、男性では75.1pt(同+0.6pt)、女性では57.1pt(同+1.0pt)と上昇している(図表3-1-2、図表3-1-3)。依然として男女間で水準に大きな差は見受けられるものの、2544歳の女性を中心に水準が改善しているため、男女格差は縮小傾向にある。さらに、5564歳を中心としたシニアでの改善も目立っており、この1年において女性とシニアの労働参加が大きく進んでいることがわかる。

図表3-1-2 IndexⅠ(男性年齢別)
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図表3-1-3 IndexⅠ(女性年齢別)
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人手不足のなか、労働参加はしっかりと進展

IndexⅠ「就業の安定」の上昇の背景として、就業者の増加と失業者の減少がある。総務省「労働力調査」によると、2019年の就業者数は6724万人であり、7年連続で増加している(図表3-1-4)。失業者数をみると、2019年は162万人と10年連続で減少している。恒常的な人手不足が続くなかで、労働参加はしっかりと進展している。

図表3-1-4 就業者数と失業者数
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(出典:総務省「労働力調査」)

働かない理由は多岐にわたる

非就業者について、その内訳をみてみると、非就業でかつ就業を希望している人は11.0%とわずかであり、大半はそもそも就業を希望していないことがわかる(図表3-1-5)

図表3-1-5 非就業者の内訳
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(非就業者の出典:総務省「労働力調査」)

就業を希望していない理由は多岐にわたるが、高齢や健康状態を理由に働けない人(1046万人)や働く必要がない人(928万人)がその多くを占めている。こういった人は次の年に就業する可能性は低い(約4%)(図表3-1-6)。一方で、出産・育児・介護・家事など家庭の事情で働けない人(379万人)、適当な仕事や自信がなく働くことをあきらめている人(349万人)、特に理由がないが働かない人(628万人)では、約10%が翌年に働いている。内訳をみると、1年間継続して働いている人が多いわけではなく、半分以上は1年間のうち少しでも働いている人である。就業を希望していなくても、条件や環境が整うことで、少しでも働くようになる可能性は十分にある。今後、労働参加をさらに促進させていくためには、就業を希望していない非就業者にも目を向け、彼らの課題を解決する必要があるだろう。

図表3-1-6 非就業理由別の翌年の就業割合
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非正規雇用者の処遇改善は進む

総務省「労働力調査」によると、2019年の非正規雇用比率は38.3%(前年比+0.4%pt)と増加している(図表3-1-7)。同じ非正規雇用者であっても、契約期間に定めがない方が就業はより安定すると考えられる。契約期間に関連するIndicatorⅠ-5「雇用継続の可能性が高い」の水準は2018年に前年比+2.2pt2019年は+0.8ptと増加傾向にある。有期契約労働者の無期転換や雇用契約期間の長期化がしっかり進んでいる可能性がある。

有期労働契約が通算5年を超えた場合、無期労働契約に転換できるルールが、201341日に施行された。そのため、5年後の20184月から無期転換を希望する有期契約労働者が増えると考えられる。

図表3-1-7 非正規雇用比率と非正規雇用者数
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(出典:総務省「労働力調査」)

有期契約雇用者を代表する雇用形態の呼称別に、契約期間が無期である割合をみると、増加幅に差はあるものの、いずれも増加傾向にある(図表3-1-8)。非正規雇用者の処遇改善は着実に進んでいるといえるだろう。

図表3-1-8 雇用形態の呼称別の無期労働契約の割合
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