Works Index 2018職種別のWorks Index(偏差値)

ここまで、日本の働き方の全体像を俯瞰してきたが、実際の働き方は職種ごとに大きく異なっている。特に、法規制の適用が一般の職業と異なる職業について、その職種ごとにIndexを算定し、その働き方がどのような状態にあるのか、実態に迫る。特定の職種が全体の中でどのような働き方にあるのか、その比較がしやすいよう、各IndexIndicatorを偏差値付けしたうえで推移を追う。

トラックドライバー、タクシードライバー

自動車運転業務は2019年4月のタイミングでの残業時間の上限規制導入は見送られ、2024年4月からとされた。5年間の猶予期間を与えられた形であるが、自動車運転従事者の働き方は現状どのようになっているのか。

トラックドライバーとタクシードライバーの働き方をみると、共通してみられる傾向として、仕事は安定しているものの、仕事と生活の両立が難しいという点がみてとれる(図表4-1 ~ 図表4-4)。特に、トラックドライバーはIndexⅢ「ワークライフバランス」(2018年:19.3)が全職種のなかでも最低水準にある。トラックドライバーのIndexⅢの内訳は、IndicatorⅢ-1「残業がない、短い」(同18.6)が極めて低く、状況もなお悪化している最中である。そのほか、Index Ⅳ「学習・訓練」(同33.1)も低水準であり、あまりにも長い労働時間などが学びの機会にも悪影響を与えている可能性がある。

図表4-1 トラックドライバーの働き方

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図表4-2 トラックドライバーのワークライフバランス
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図表4-3 タクシードライバーの働き方
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図表4-4 タクシードライバーのワークライフバランス
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医師・歯科医師

医師・歯科医師も同様に、残業時間の上限規制導入が20244月に先延ばしされている。

医師・歯科医師は、IndexⅡ「生計の自立」(2018年:64.0)やIndex Ⅳ「学習・訓練」(同66.6)が他職種と比べて高いが、IndexⅢ「ワークライフバランス」(同32.1)が低い(図表4-5)。IndexⅢのなかでは、IndicatorⅢ-1「残業がない、短い」(同37.1)、Ⅲ-2「休暇が取得できている」(同35.6)などで値が低くなっていることが確認できる(図表4-6)。

医師・歯科医師のワークライフバランスは近年も相対的に悪化しており、IndexⅤ「ディーセントワーク」も業務負荷の拡大などから悪化傾向にある。医師・歯科医師に関しては、対応策が様々協議されているものの、応召義務など業務の特殊性から、働き方の見直しが進んでいない現状が浮き彫りになっている。

図表4-5 医師・歯科医師の働き方
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図表4-6 医師・歯科医師のワークライフバランス
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小中高教員

小中高教員は、原則として労働基準法が適用され、今回の法令改正でも適用の対象となっている。教員に関しては法令上の規定と実態の働き方に大きな齟齬が生じているといわれているが、その実態はどのようになっているのか。

小中高教員も、医師同様に、Index Ⅱ「生計の自立」(2018年:59.9)とIndex Ⅳ「学習・訓練」(同68.6)が高く、Index Ⅲ「ワークライフバランス」(同29.8)が低くなっている(図表4-7)。Indicator Ⅲ -1「残業がない・短い」(同36.0)、Ⅲ -4「勤務時間や場所の自由度が高い」(同29.7)が低く(図表4-8)、授業や部活動など時間や場所を固定されていることから、これらの改善も進んでいない。部活動で外部関係者を利用するなど、教員の業務の見直しは現在熱心に検討されている最中であり、状況の改善が期待される。

図表4-7 小中高教員の働き方
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図表4-8 小中高教員のワークライフバランス
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※出典表記のない図表はすべて「全国就業実態パネル調査」から作成しています。
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