Works Index 2018IndexⅡ 生計の自立

IndexⅡ「生計の自立」は大きく上昇

Index Ⅱ「生計の自立」は、68.0pt2017年)から69.3pt2018年)と、大幅に上昇した(図表3-2-1)。Indicatorの内訳をみると、Ⅱ-1「自身の労働所得で単身世帯の平均支出額をまかなえている」は60.1pt(前年比+1.5pt)、Ⅱ-2「自身の収入で生活を成り立たせている」は83.1pt(同+1.0pt)と、ともに大きく上昇している。

図表3-2-1 IndexⅡとその内訳

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IndexⅡの変化を性・年齢別にみると、2534歳の男性で前年比+1.4pt(女性は同+0.7pt)と上昇するなど若年層で改善しているほか、5564歳の男性が同+1.2pt(女性は同+1.1pt)と定年前後の就業者の改善も目立つ(図表3-2-2、図表3-2-3)。

図表3-2-2 IndexⅡ(男性年齢別)
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図表3-2-3 IndexⅡ(女性年齢別)
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平均賃金は緩やかに、
雇用者報酬はしっかりと増加

厚生労働省「毎月勤労統計調査」によれば、一人当たりの実質賃金は2018年で383万円と前年比0.5%の増加となった(図表3-2-4)。多くの企業でベースアップが行われるなど賃上げの動きが広がっていることが、賃金上昇の背景にある。ただ、一人当たりの平均値でみると、賃金の伸びは引き続き緩やかなものとなっている。

図表3-2-4 実質賃金
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出典:厚生労働省「毎月勤労統計調査」

他方、内閣府「国民経済計算」から、報酬の総計を示す雇用者報酬の推移を確認してみると、2018年の実質雇用者報酬は271.4兆円と前年比+2.2%となった(図表3-2-5)。雇用者報酬はしっかりと増加している。

図表3-2-5 実質雇用者報酬

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出典:内閣府「国民経済計算」

収入増加と労働参加の促進によって国富が増大

平均賃金と雇用者報酬との間にこのような差が出るなか、個人の収入はどのように変化しているのか。JPSEDから主な仕事からの収入の分布をみると、高所得者の比率が緩やかに増加しているなかで、収入がない人は30.8%と前年から▲1.4pt減少している(図表3-2-6)。さらに、2018年の収入別に前年非就業者であった人の割合をとると、100万円未満の所得を得ていた人のうち16.5%が前年非就業であった(図表3-2-7)。これらの分析から、これまで働いてこなかった人が労働市場に参入したことが低所得者の増加要因であることが推察される。

図表3-2-6 主な仕事からの収入の分布

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図表3-2-7 今年の収入別、前年に非就業者だった人の割合

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この1年間の収入の変化を総括すると、①継続して働いている人の収入が着実に増加していること、②労働参加の促進によって低所得ではあるものの所得を得る人が増えていることが確認されており、その結果が平均収入の緩やかな増加と雇用者報酬の大幅な増加という形で表れている。

継続雇用制度の浸透などから、
定年前後の就業者の自立度が高まる

 個人が自立して生計を営めているかどうかを考える際には、自身の仕事からの収入の水準に加え、その収入で実際に生活費をまかなえているのかを知ることも重要である。
生活費のまかない方について、「自分の仕事の収入だけでまかなった」あるいは「自分や配偶者の仕事からの収入だけでまかなった」と答えた人を、仕事の収入で生活をまかなえている人とすれば、その割合は、2018年には76.8%と前年から+1.3ptと増加した(図表3-2-8)。

図表3-2-8 生活費のまかない方

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その一方で、預貯金の切り崩しなどでまかなったと答えた人の割合は15.8%(前年比▲1.0pt)と減少し、公的な援助でまかなった人の割合も1.8%(同▲0. 5pt)と減少している。

仕事の収入で生活をまかなえている人が増えているのは、定年前後の人の収入の安定化によるところが大きい。55歳以上70歳未満の人について、仕事の収入で生活をまかなえている人の割合をとると、6064歳ではその割合は72.8%に達し、前年から+2.0%ptと増えている(図表3-2-9)。継続雇用制度の浸透などによって、各企業でシニアが働く環境を整備していることが、シニアの生計の自立度を高めていると考えられる。

図表3-2-9 仕事の収入だけで生活をまかなえている人の割合(55~69歳)

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※出典表記のない図表はすべて「全国就業実態パネル調査」から作成しています。
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