Works Index 2018IndexⅠ 就業の安定

IndexⅠ「就業の安定」は大きく上昇

IndexⅠ「就業の安定」は、63.6pt から65.2pt(前年比+1.6pt)と、この1年間で大きく上昇した(図表3-1-1) 。IndexⅠ「就業の安定」は、2016年から2017年の間も上昇していた(63.0pt→63.6pt)が、この1年はそれを上回る伸びとなり、就業の安定がさらに進んだことが確認できる。就業状態に関連するIndicatorⅠ-1201812月時点で就業しているもしくは就業意欲が高い」、Ⅰ-32018年の各月において就業している」、Ⅰ-4「転職入職者の無業期間が短い」はそれぞれ68.8pt(同+1.9pt)、63.6pt(同+1.8pt)、65.4pt(同+2.2pt)とともに大きく上昇したほか、IndicatorⅠ-5「雇用継続の可能性が高い」も57.6pt(同+2.2pt)としっかりと上昇している。

図表3-1-1 IndexⅠとその内訳
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性・年齢別にIndexⅠ「就業の安定」の内訳をみると、女性で前年比+2.2pt(男性は同+0.8pt)と大きく増加し、依然として男女間で水準には大きな差が残るものの、男女格差は縮小傾向にある(図表3-1-2、 図表3-1-3)。さらに、5564 歳を中心としたシニアの改善も目立っており(男性:同+1.3pt、女性:同+2.0pt)、女性とシニアで労働参加が大きく進んでいることがわかる。

図表3-1-2 IndexⅠ(男性年齢別)
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図表3-1-3 IndexⅡ(女性年齢別)

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人手不足や景気回復から労働市場は逼迫

IndexⅠ「就業の安定」の上昇の背景には、労働市場の逼迫がある。総務省「労働力調査」によると、2018年の就業率(15歳以上)は60.0%と前年(58.8%)から+1.2pt 上昇している(図表3-1-4)。また、失業率は2018年において2.4%と前年(2.8%)から▲0.4ptと低下しており、恒常的な人手不足や緩やかな景気回復の持続により、労働市場の逼迫度は高まっている(図表3-1-5)。

図表3-1-4 就業率
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出典:総務省「労働力調査」

図表3-1-5 失業率と長期失業率
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出典:総務省「労働力調査」

今後の就業率の上昇は、高齢者の就労促進がカギに

非就業者が働いていない内訳をみてみると、非就業でかつ就業を希望している人は8.5%とわずかであり、大半はそもそも就業を希望していないことがわかる(図表3-1-6)。就業を希望していない理由は多岐にわたるが、高齢や健康状態を理由に働けない人(590万人)やそもそも働く必要がない人(460万人)はその多くを占めている。また、こういった人は次の年に就業する可能性も低い(図表3-1-7)。働く意欲を有する高齢者が就業できるような環境を作り上げていくことが、今後、労働参加をさらに促進させていくうえでのカギになるだろう。

図表3-1-6 非就業理由の内訳3-1-6.jpg

図表3-1-7 非就業理由別の翌年就業割合3-1-7.jpg

有期雇用者の無期転換が進む

総務省「労働力調査」によると、2018年の非正規雇用者比率は37.8%(前年比+0.6pt)と増加しているが(図表3-1-8)、IndicatorⅠ-5「雇用継続の可能性が高い」は大きく上昇している。ここから、非正規雇用者は増加しつつも、有期雇用者の無期転換や雇用契約期間の長期化が同時に起こっていることがわかる。

図表3-1-8 非正規雇用者の人数とその比率

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小出典:総務省「労働力調査」

同じ非正規雇用者であっても、雇用契約期間に定めがない方が就業はより安定しているものと考えることができる。雇用形態の名称別に契約期間が無期である割合をみると、契約社員などであっても、雇用契約期間が無期であるという人が大幅に増えている(図表3-1-9)。非正規雇用のなかで、雇用期間の定めをなくす動きが明確に表れている。

図表3-1-9 雇用形態別の無期雇用契約割合

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非正規雇用者比率は従来働いていなかった人が働きに出ることで上昇しており、それと同時に有期雇用者の無期転換も増えている。非正規雇用者の処遇改善は着実に進んでいるといえるだろう。

※出典表記のない図表はすべて「全国就業実態パネル調査」から作成しています。
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