まとめ

まとめ

 ここまで本誌特集記事に加えて、ストックホルム商科大学とコペンハーゲン商科大学の事例を通じて、インターンシップへの大学の関わり方について見てきた。
北欧では、資金提供を含め、大学が民間企業と深く連携している。ストックホルム商科大学の大学院では、特にグローバル人材の育成プログラムで学生の選抜、育成、評価まで一貫して企業が関わっていた。また、企業インターンシップは学生の修了要件にさえなっている。
 さらに、インターンシップの場の提供に努める行政機関、ネストべ市で実習生をして
いたイェンセン氏が通う短期大学では、先にインターンシップ先と雇用契約を結ぶことが入学要件になっていた。つまり、北欧の人々はインターンシップを経験しないことには大学や大学院に入ることができない、あるいは卒業できない。そこまで、教育課程にインターンシップがしっかりと組み込まれているのだ。
 文部科学省によると、日本の大学ではインターンシップで単位認定を受けた学生は約2%にすぎず、まして入学・卒業要件にしている学校は聞いたことがないという。一方、2012年度にインターンシップを実施した企業は40.0%であり、前年に比べ3.6ポイント上がったという(就職みらい研究所調べ)。大学と、インターンシップの受け入れに前向きに取り組み始めている企業との間に溝がある形だ。
 また、コペンハーゲン商科大学が運営している「キャリアゲート」という企業インターンシップを含めた求人情報サイトも、日本の大学ではまだ見かけない取り組みだといえよう。ポータルサイト開設から2年も経たないうちに数万件もの求人情報が全世界から寄せられている。今や「このサイトを通じて学生と企業のマッチングが図られている」と同大学キャリアセンターのタレルップフース氏は語ったが、こうした動きが日本で出てきても不思議ではないと思う。
 多くの人が適職に就くため、教育と就業のマッチングのあり方が問われている。インターンシップは未来の時間価値を最大化するという企業と学生との「共通認識」を、大学や行政を巻き込んで、「社会認識」にまで進化させていく必要がある。
 時間価値の創造に優れた北欧の人々の生き方、学び方、働き方を、これからもこのサイトでは取り上げていく。

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