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| 「プロ意識」と「高い独立心」と―高収入契約社員の心意気 ワーキングパーソン調査の森 | |
リクルートワークス研究所 |
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このところ、さまざまな業種で、正社員ではなく「契約社員」という立場で働く人が目立つようになってきた。経済産業省の「人材ニーズ調査」でも、契約、嘱託社員の求人シェアは、この 4年で 8.5% から 14.8% へ大きく伸ばしている。有期の雇用である点が正社員との大きな違いだが、一口に契約社員といっても、「時間の自由を優先したい」から「プロ意識に徹したい」まで、働くことに対する姿勢は多様なようだ。 |
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「契約社員」とはどのような雇用形態なのだろうか。ここでは「1年、3年など期間が決められた雇用契約を結んだ社員」と定義する。ちなみに「派遣社員」と呼ばれる雇用形態もあるが、派遣先企業とは直接雇用契約を結ばないため、今回の対象からは除外している。
働く人たちが描く「契約社員」の一般的イメージといえば、1) 労働時間は正社員よりも少ない、休みが取りやすく、辞めるのも比較的自由。2) その代わり給料は安く、責任ある仕事は任されにくい。といったところだろうか。 「主婦で子供もいるから、フルタイムの正社員として働くのはちょっと厳しいという事情で契約社員になりました。同種の仕事をしている正社員と比べると、給与は 3分の 1 以下ですが、その分休みや働く時間の自由が利くので、まあ仕方ありませんね」(コンピュータ関連会社勤務 A さん 40歳) 彼女の場合はイメージ通り、勤務時間が短く自由がきくが、給与は低いという例だ。平均年収でみても、正社員 533.7万円に対し、契約社員は 350.8万円で、やはり契約社員は正社員の 3分の 2程度にとどまっている。 正社員を超える収入を得る契約社員も だが、ここで注目したいのは契約社員であっても正社員の平均より高い水準(500万円以上)の年収を確保している人が、2割弱いるという事実だ。これら高収入を得る契約社員たちは、どんな特徴を持っているのだろうか? この点に焦点を絞って話を進めたい。 「契約社員の通販カタログ制作のディレクターとして働いていましたが、年収は 600万円ぐらいありました。もしかしたら一部の正社員よりも多かったかもしれません」(元通販会社勤務 B さん 36歳) 「プログラム開発の仕事をしていますが、年収 650万円ぐらい。正社員の 2倍近いと思います」(コンピュータ関連会社勤務 C さん 32歳) 彼らはまさに 2割のグループに入る契約社員だ。 能力、業績、成果が決め手の高収入契約社員 ![]() いったいどんな業種、職種の人に、高収入を得る契約社員は多いのだろう。データで見ると、次のようなことがわかる。 1)業種では、高収入契約社員は製造業やサービス業に多く、卸売り・小売業、飲食店では少ない 2)賃金変動要素として、正社員の 42.3%が「勤続年数」を挙げているのに対し、契約社員は年収の多少に関わらず「勤続年数」を挙げた人は少なく、高収入契約社員は、正社員よりも多い 4割以上の人が「能力」や「自分の業績・成果」を挙げている。 3)一方で 500万円未満の契約社員では、半分以上の人が「労働時間」を、賃金変動要素として挙げている。 4)高収入契約社員の現在の職種は、半数近くが「専門職・技術職」で占められている。 「労働時間や勤続年数ではなく、自らの能力や業績で収入が決まる、専門職や技術職」。こういうタイプの人たちが、高収入契約社員の多くを占めると見られる。前述の B さん、C さんの職種を見ても、この結果と合致している。 プロである、スペシャリストであると自認 データを見ると、高収入契約社員は「自分の経験・専門性を生かせる」「責任ある仕事を任せてもらえる」と、自己の職場環境を評価しており、転職の際には「やりたい仕事が出来る」・・・などを重視し、プロ志向の強い人たちが多いという結果が出ている。さらには転職だけでなく、「独立したい」という意識を持つ人も多いことがわかる(「独立してみたい」は高収入契約社員の 60%を占める。年収 500万円以上の正社員では 38%)。 「我々はプロの編集者、スペシャリストを自認して仕事をしています。こういう職業の場合、『ここではもうやる仕事がない』と考えると、転職してしまう傾向があり、定着率が低いのです。だから最初から、会社側も契約社員として採用していると思いますね」(出版社勤務 E さん 30歳) まさにプロフェッショナル、スペシャリストらしい発想だ。やはり契約社員は、彼らに合った雇用形態といえそうだ。 ただ、こんなコメントも聞かれた。 「ただ契約社員では、部署を超え、全体を見ながら総合的な企画を立てるといった仕事はやりにくい部分がどうしてもあります。正社員へも命令はしにくいですしね。だから私は今、転職して正社員になりました。もっとも年収は前より減りましたが……」(前出の B さん) スペシャリストとして働くには向いているが、ゼネラリスト的な仕事への取り組みを志向すると、契約社員にはまだまだ壁がたちはだかるのかもしれない。 正社員並みの仕事なのに低収入も 一方で、年収 500万円未満の契約社員は、主に「労働時間で収入が決まる」「労働時間は比較的短い」「サービス職や補助的な職種に従事」という結果がデータから導き出されているが、必ずしもそうではないというコメントもあった。 「コンテンツプロデューサーとしてWebサイトの制作、運営をすべて任され、正社員と同じかそれ以上の仕事をしていました。でも年収は正社員の半分以下の 280万円。会社側は、単に人件費を抑えたかっただけだと思います。辞めるときも簡単にはいかず、引き継ぎに何ヶ月もかかってしまって……」(元 Web コンテンツ制作会社勤務 F さん 32歳) 「来年は正社員にするからなどと言われて、低賃金で、ずっと正社員以上の働きを要求され続けていますよ」(出版社勤務 G さん 29歳) さらにはこんな例もあった。 「会社は現在、契約社員しか採用していない。正社員は昔からいる年輩の人だけです。正社員になったからといってメリットはないと聞いたので、まあいいんですけど……。これってちょっとずるい気がしますよね」(芸能系プロダクション勤務 H さん 22歳) 契約社員という働き方は、「専門性を生かして働きたい」から「会社に縛られない自由な時間が欲しい」に至るまで、多様化する働く人々のニーズに応え、社員たちの持つ力を十二分に引き出せる可能性を秘めている。しかし、人件費削減だけを狙い、正社員と変わらぬ仕事内容を要求するのに、それに見合った待遇や収入は保証しないという姿勢では、社員の成長ややる気を引き出すことは難しくなるだろう。(文:河野比呂 データ分析:小泉静子 編集:五嶋正風) ワーキングパーソン調査の報告書はこちら ワーキングパーソン調査は、ワークス研究所が 2000 年から 2 年に 1 度のペースで実施している。日本の 3 大都市圏(首都圏、大阪、名古屋)で働く 17000 人を対象に、働く人々の実態と意識を明らかにすることを目的としている。調査対象はパート、正社員、派遣、フリーターなど、様々な雇用形態で働く老若男女を網羅している。 |
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| (2003年12月24日掲載) |
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