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 あなたも気になる?能力と収入の関係 ワーキングパーソン調査の森
SPECIAL THEME Works Institute
リクルートワークス研究所
ワーキングパーソン調査の森〜働く17000人探索レポート
その2 あなたも気になる?能力と収入の関係
今回は能力と収入の関係を探るべく、「ワーキングパーソン調査の森」に分け入ってみよう。年功序列が崩れ、能力主義や成果主義が台頭する中、「能力と収入にはどんな関係があるのか」は、だれしもの関心事ではないだろうか。
図 1
「リーダーシップ」「課題解決力」…
高収入か否か"持てる能力"がカギ

このところ年功序列を廃止する動きが目立ち、個人の仕事能力が注目されるようになってきている。では、どんな能力を持つ人が高収入を得ているのだろう。大卒ホワイトカラーのうち、今の収入を得るために必要不可欠だと考える能力に「基礎的能力(論理的に考えられる、数字に強いなど)」「リーダーシップ」「課題が何かを発見し、解決する力」を挙げた人は、それらが「それほど重要でない」と答えた人に比べ、年収レベルが高くなっていることがわかる(図 1 )。

図 2 も見て欲しい。自分の賃金がどんな要素で決定するか?という問いに「能力」「自分の業績・成果」と答える人は、全体平均より5〜17%高い収入を得ており、逆に「年齢」「労働時間」と答える人は、多くの世代で平均を下回る収入となっている。年齢に関係なく、積極的に仕事を見つけ出し、リーダーシップを発揮してやり遂げる人物が、高い評価とそれに見合った収入を得るようになってきているということだろう。

「自分の業績・成果」で賃金が決まるという人は高収入を得ているということだが、世の中には業績や成果を数字で示しやすい仕事と、そうでない仕事が存在する。では、数字で評価しにくい仕事はやはり収入的にも不利なのだろうか?

図 2

職業特性による収入の変化は?
データと証言から探る

賃金が「能力」「自分の業績・成果」で決まると答えた人の多い職業を調べてみると、金融関連専門職、ソフトウエア・インターネット関連技術者、企画・販促系事務などが上位を占めた。金融関連専門職はともかく、それ以外の職業は業績・成果が数字ではっきり示されるとは言いがたい仕事だ。「能力」「自分の業績・成果」で収入が決まるといっても、それぞれ事情は違うのかもしれない。事情の違いを探る手がかりとして、3 つの職種ごとに世代ごとの収入遷移をグラフにしてみた(図 3 )。

図 3

やはり、それぞれの職種で違った特性が出てきた。金融関連専門職は35歳から急激に伸び、40代後半に急激に落ちる。ソフトウエア・インターネット関連職は穏やかに上昇し、同じく40代後半で緩やかに下降。企画・販促系事務職はスタート時の収入も高く、そのまま緩やかに上昇してダウンすることはない。

それぞれの職種の人達に、このデータへの感想を聞いてみよう。金融関連専門職にあたる、日系企業の投資信託会社に勤めるAさん(ファンドマネージャー/37歳/男)は、「私の収入は評価に見合っていると思います。このデータも納得ですね。年齢に関係なく、稼ぐヤツが高収入なのは確かで、個人差も大きい。突出した人が平均額を上げるため、平均値より低収入の人ももちろんいます。ちょうど私くらいの年齢辺りで急激に収入が多くなるのは、自らプレイヤーでありながらチームリーダーとしての仕事も与えられる時期なので、その手当分でしょう」

高収入ではあるが職業としての「寿命」は他と比べて短いのかも、というのがAさんの見解だ。
「そうでなくても人材の流動の激しい業界です。突出した人は生き残れるかもしれないが、50歳60歳まで現役は精神的にも体力的にも難しい。急激に下がる時期があるのは年功序列が廃止されたせいかな。厳しい現実ですが、自然淘汰されていくシステムができているのでしょう(Aさん談)」。

ソフトウエア・インターネット関連職にあたる、携帯電話コンテンツやシステムの企画をしているBさん(SE/27歳/女)は「経験を積むことで、仕事の幅も量も増やせるので、緩やかに収入も上昇するというデータは納得です。私の世代はデータ的で見てもあまり高い収入ではありませんが、さらに経験を積めば年収アップは可能だと思っています。40代後半で少し落ちる時期があるのは、プログラマーもこのデータに含まれているからだと思います。日々更新される技術についていけない人もいますから。古い技術も時には必要とされますが、圧倒的に需要は減ります」と言う。

企画・販促系事務にあてはまる、ホテルで働くCさん(マーケティング/49歳/女)はこう語る。「働きぶりがそのまま収入に反映されているとは、残念ながら思いません。マーケティングは成果がすぐ数字に現れるわけではありませんから。でも調査結果をもとにプロジェクトを立ち上げ、プロジェクトが成功すれば、翌年に数万円昇給します。穏やかに上昇するというデータどおりですね。落ちる時期がないのは、年数を重ねることで経験や培った人脈が仕事に生きてくるからでしょう」。

ズバリ!上位の職業に
求められる能力とは?

最後に、それぞれの職業で最も必要とされる能力についても聞いてみた。金融関連専門職のAさんは「集中力と判断力、そして自分に対する自信です。判断力を高めるために、常日頃から物事を考えるとき、仮説を立てたり検証したりということを欠かしません」。

ソフトウエア・インターネット関連技術者のBさんは「何よりもコミュニケーション力。お客さまのニーズを知るためにも、社内での調整にも必要不可欠です。年齢的に恥ずかしいと思っても、わからないものはわからないと素直に聞く姿勢、ビジネスの基本である『ほう・れん・そう』も重要。それができれば、技術は後からついてきます」。

企画・販促事務職にあたるCさんからは「企画力。そのための情報収集力も大切ですね。新聞3〜4紙の見出しは最低チェックするし、オフには外国の雑誌や映画からヒントを得ることもある。いろんな分野の人々と会って話す機会は常に持つようにしています」という言葉が返ってきた。3人とも、日常を通じて必要な能力を磨く努力を積み重ねていることが伝わってきた。(文:阿部朋子 データ分析:小泉静子 編集:五嶋正風)

ワーキングパーソン調査の報告書はこちら

※ 今回抽出したデータについて

図 1 は大卒の正社員を抽出。サンプル数は 989 人。図 2 は大卒、ホワイトカラーの正社員。サンプル数は 830 人。図 3 は大卒、正社員で金融関連専門職、ソフトウエア・インターネット関連技術者、企画・販促事務職の 3 職種にあてはまる 163 人。
(2003年8月26日掲載)

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