| Home > SPECIAL THEME > ワーキングパーソン調査の森 2003年7月 |
| データでみた外資系社員の実像 ワーキングパーソン調査の森 | |
リクルートワークス研究所 |
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ワークス研究所は2000年から、2年に一度のペースで「ワーキングパーソン調査」を実施しています。それはどんな調査かって?日本の3大都市圏(首都圏、大阪、名古屋)で働く17000人を対象に、働く人々の実態と意識を明らかにすることを狙ったものです。何しろ対象は17000人。パート、正社員、派遣、フリーターと、雇用形態も様々なら年齢、性別もいろいろな働く人たちを網羅しています。 「ワーキングパーソン調査の森」では、17000人の中から各回のテーマに従ってデータを抽出し、分析。テーマに沿った人たちへインタビューにも出かけ、データとコメントで「ホントのところ」を描き出します。 さて第一回は外資系企業に勤める人たちがテーマです。「仕事は厳しいけど、給料高そう」「好条件求めてバンバン転職してそう」。なにかと色眼鏡で見られがちな彼ら、彼女らを、データから眺めてみると……。 |
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労働時間のわりに高収入。
その秘密は? 図Aを見ると、週の労働時間は日系企業(非外資)と外資系企業では同程度。しかし年収は、外資系勤務者が20%も上回っていることが分かる。日系企業よりも就労時間がやや短いのは、個人を大切にするという考え方、姿勢から、週休2日、有給の完全消化を義務にするところさえある外資ならではの結果だろう。それにしてもこの収入差はなぜなのか? 外資系製造会社に勤務するA子さん(32歳/人事・研修・採用に関する企画・運営)はこう答える。 「100%外資の場合、(業績)評価と報酬(給与)に関してある程度上司と交渉ができるうえ、業績に応じて臨時ボーナスが出ます。これが日系企業で働く人より年収が高くなる理由なのではないでしょうか?」 さらに外資系金融に勤めるB男さん(33歳/営業企画・支店開発)によると、 「付き合い残業もないので、就労時間が変わらないというのは理解しがたいところがありますが、自分の都合で就労時間を長くとることができれば、より以上の収入も可能だと思いますよ」とのことだ。 業績が収入に直接反映されることが、 勉強心をもくすぐる? 給与交渉ができる、臨時ボーナスが出る。高収入の理由はそれらだけなのか。あるいは仕事に関する学習に励む人が多いのではないか。自分を磨くために時間を使っているからこその収入かもしれない。そう考えてデータを見ると、やはり仕事に関する学習をしている人が多いという結果が出た(図A参照)。 地方銀行から転職して5年。生命保険業に携わるC男さん(37歳)は今年営業所所長に抜擢された。 「別に会社から勉強を強制されているわけではないですよ。でも社内試験をパスして仕事の業績が良ければ、年齢、経験、学歴に関係なくポジションと報酬は上がります。だから努力しないわけにはいかないでしょう? となると日々勉強時間をやりくりしなければいけませんが、高いリターンが望めるので苦ではありません」 驚くのは、営業所長になった今も勉強している点だ。部下を優秀な営業職に育て上げることが業績につながる。だから自ら培った営業ノウハウをより理論的に分かりやすく部下に説明するため、心理学やコーチングの勉強をしているという。知識を蓄積し、スキルを高めることで優れた業績を挙げれば、それが高収入につながる。勉強する気にもなろうというものだ。 A子さんは、人事・研修・採用に関する企画・運営の仕事をしているが、彼女もまた積極的に勉強時間をつくっている。「転職希望者と職場のマッチングを図るために、カウンセリング技法を週3時間学んでいます」 外資系企業を選ぶ理由のトップは、 断然「やりたい仕事ができる」こと! 次に転職事情を探ってみたい。図Bを見てみよう。今の会社を選んだ理由として大多数の人が「やりたい仕事ができる」を挙げている。A子さんは、 「外資系企業の場合、新卒でも会社が求めるニーズやスキルがあるかないかで採用やポジションが決まるんです。やりたい仕事ができる環境があるということも当然です」という。 図Cによると、退職経験は外資系企業で働く人の方が多い。経験者(中途)採用しかしない外資系企業が多いことに加え、日系企業の体質が合わない、または実力を試したいという人が外資系に転職する傾向があるためだろうか。 転職経験のあるB男さん(33歳)、C男さん(37歳)の2人は共に、「日本的ピラミッド型の組織では、なかなか個人の意思が組織や仕事に反映できないこと」を理由に、年齢や経験に縛られず、実力主義の下でやりたい仕事に挑戦したいから転職を決意したと話す。 ところで退職経験者の割合は外資の方が多いのに、転職回数がほぼ変わらないのはなぜだろう。B男さん、C男さんは「業績評価が日系企業よりも公明正大で、仕事環境が合わなくて脱出するという考え方がない」といい、一度就職するとそこで自分が納得いくまで働くためではないかという。好条件を求めて、企業を渡り歩くというのとは様子が違うようだ。 最後に業績(実力)第一主義で働くことに、それなりの手応えを感じているのか? 3人に聞いてみた。 「私は新卒入社ですが、年功序列や学閥がないので、本人の希望ややる気、適性、専門性で仕事を任せてもらえています」(A子さん談) 「私は33歳で次長。これは実力主義の最たる結果だと思います」(B男さん談) 「それまでと軽く倍は違う年収が、その証拠でしょうね」(C男さん) とはいえ、光あれば影あり。年収の高い人、低い人の幅を示す標準偏差を比べると、外資系は501、非外資では317となった。外資の方が収入の格差がかなり大きいことを示している。B男さんが取材中、「今は考えられませんが、そのうちラクをしたくなったら日系企業に転職するんでしょうね」とふと漏らした。やりがいと共に、厳しさも併せ持つ職場が多いことをうかがわせる一言だった。(文:阿部朋子 データ分析:小泉静子 編集:五嶋正風) ワーキングパーソン調査の報告書はこちら |
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| (2003年7月16日掲載) |
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