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| Works創刊10周年記念シンポレポート | |
リクルートワークス研究所 |
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『Works』誌創刊10周年を記念するシンポジウムが、東京・六本木ヒルズで4月22日に開催されました。第一部の記念講演とパネルディスカッション、そして第二部の9つの分科会。計11本の記事でWeb上に再現された、シンポジウムの模様をご覧ください。(レポートは順次アップします)
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ジェフリー・フェファー氏の記念講演に続いて、パネルディスカッションが催された。過去10年のHRMを振り返り、さらに今後10年のHRMの重要な課題は何かを模索した。パネリストにはフェファー氏のほか、インディペンデントアナリストのデイビッド・クリールマン氏、一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授の野中郁次郎氏、リクルート代表取締役社長の柏木斉が登場。進行役を大久保幸夫ワークス研究所所長が務めた。今後のHRMの展開を考えるキーワードに加え、聴衆の人事担当者を激励する発言もあった。
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| 文 向江 睦 |
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ニューディールが広がって結び付きは希薄に はじめに、クリールマン氏が主にアメリカと日本以外の国の動向を中心に、人材コンサルタント、インディペンデントアナリストとしての立場から過去10年のHRMを振り返り、「ニューディール」と呼ばれる職場の新ルールが広がったことを挙げた。ニューディールとは、企業が従業員に対して「この会社にいる間にスキルを磨き、よい評判を得ること。そうすれば、もし解雇されても次の仕事に就けるだろう」と語りかける姿勢をとることだと説明。企業は雇用の可能性しか提供せず、従業員は自分でキャリアを築く責任を負うため、企業と従業員の結び付きが希薄になったと指摘した。 次に人事部内で中核となるツールが変化したことを挙げた。コンピテンシー(高業績者の思考、行動特性)マネジメントが導入され、採用活動に大いに利用されるようになり、従来は経験年数やスキルに基づいた採用選考をしていたものが、もっと重要な個性によって判断することが可能になったと説明。また、重要な傾向として「成果主義報酬の広まり」を挙げた。高い成果を挙げた者がより高い報酬を得るべきという考え方が支持を集め、「次第に米国人は給与格差に対して寛容になってきている」と話した。 人材価値が経営の重要な関心事に 次に、今後10年のHRMの展開について、日本に関する3つの予測が大久保から提示された。「第1に、過去10年間、総体的に低下していた人材価値に対する関心が再び高まるのではないか。次の10年は、人材価値があらためて経営の重要な関心事としてとらえられる。第2に、強い個人を求める傾向が加速するのではないか。それに伴って、プロフェッショナリズムを備えたプロ人材や、プロを支えるサポーター人材の価値も上がる。第3に、雇用形態や働き方の多様化が進む中で、多様性を受け入れる組織文化が求められるようになるのではないか。そして、多様性に対する対応力がある企業とそうでない企業で、業績に格差が生じるのではないか」との見方が示された。クリールマン氏は米国の今後の展開における注目点として、(1)人事管理やテクノロジーに関するアウトソーシングが進むこと、(2)リーダーシップ育成方法の高度化、(3)金融市場に対する人的資本価値の報告の3点を挙げた。中でも、欧州から米国、全世界にも広がると予想される人的資本価値の報告には、高い関心を寄せているという。英国では2005年に、人的資本価値が無形資産として報告することが義務化されることを紹介した。 大久保所長はHRMの2つの重要課題を示し、各パネリストの意見を求めた。ひとつは「戦略変更や経営者の交代が頻繁になる中、成果が出るまでに時間のかかるHRMは、何を基準やよりどころにするべきか」。もうひとつは「企業と個人の関係が変化する中で、企業は従業員に何を約束するのか、個人は会社にどんな関係を期待すればよいのか。その中でのHRMの役割とは何か」。働きやすい環境と成長の場を提供する フェファー氏は、「今日この会場に来ている人事担当者の皆さんが気にするべきことは、所属する企業が競争力を高めながら、いかに従業員に働きやすい環境を提供できるかということ」といい、「最も重要なことは、企業の未来についてわれわれには選択肢があるということだ。過去の10年を見ても分かるように、この先も価値を創造する企業と破壊する企業が存在するだろう。もちろん、私は価値を創造する企業を応援したい」と話した。 野中氏は「一言でいえば、トップ、ミドル、ボトム(現場)が共通の知の方法論を共有することが非常に重要」と語り、物事の本質を究める方法論や教育の大切さについて触れた。そして個人の成長には「高質な修羅場体験」を与えることが必要であることも指摘。「人事の役割は、本質的な知の方法論を組織として共有させながら、教育と同時に経験と成長の場を提供すること」と話した。続いて、柏木社長が「リクルートは、世間では『人材輩出企業』といわれているが、企業の経営者として『社員の能力を十分に生かしきれているのか』『場の提供が十分にできているのか』という点で非常に危機感を抱いている」と発言。「一人ひとりが自分の選んだ領域において、プロフェッショナルとしてトップ・プレーヤーになる。そうなれる場の提供を何とか実現したい」と話した。 各パネリストから来場者へのメッセージ 最後に各パネリストから、来場した人事担当者へメッセージが送られた。フェファー氏は、人事担当者ができることを3つ挙げた。「根拠に基づいたマネジメントを実践すること、従来のやり方を自動的に踏襲するのではなく、チャレンジし、ユニークな価値観を提供する責任を担うこと、そして所属する企業の人事システムのR&D部門となること。この3つを実践できれば、未来は明るい」と締めくくった。クリールマン氏は「経営陣が人的資本に注目する流れの中、企業内における人的資本のパフォーマンスへのプレッシャーが高まって、社内の他部門のマネジャーたちが一段と人事を頼りにするようになる」という。「人事はスペシャリストとして、人的資本のマネジメントに有効な手段、アドバイスを求められるようになる。そうした役割を十分に認識することが重要」と語り掛けた。野中氏は「企業は単なる金もうけのツールではない『生き方』である。そういう意味で、社員個人が持っている価値観は大切にしなければならない」と話した。柏木社長は「いろいろな企業のトップと話す機会があるが、多くの人がこれからの人事・組織をどうするかを、大きなテーマととらえていると肌で感じる。人事は経営者と力を合わせ、勇気を持って仕事に取り組まれることを願っている」とエールを送った。 |
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| (2005年5月26日掲載) |
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