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SPECIAL THEME Works Institute
リクルートワークス研究所
この企画では、いまや世界で2,000とも3,000ともいわれる"CU(コーポレート・ユニバーシティ)"に焦点をあて、主として企業がCUを設立する際の重要テーマを毎回取り上げていく。

初回は、"外販型CUの成功ポイント"を取り上げる。CU運営にあたり、いま経費による運営ではなく、自らプロフィットを得る"外販モデル"が注目されている。このテーマを、リッツ・カールトンホテルのCUを例に考えたい。顧客サービスのクオリティにおいて高い評価を得る同社のCUは、実は外販の成功例としても有名である。今回のリッツ・カールトンホテルのCUであるLC(リーダーシップ・センター)のセオ・ギルバート・ジャミソン氏(LC教育開発担当ヴァイス・プレジデント)、ロブ・ジョージ氏(LCディレクター)のインタビューからは、同社のCU外販成功の理由、外販によって同社が得ているものが何なのかを、学ぶことができる。
ご関心を持たれた方は、「SPECIAL THEME 配信」で更にご覧いただけるインタビュー録から、生の言葉で語られる成功の"背景"にぜひ触れていただきたい。(Web企画:小野)
CUインタビューダイジェスト リッツ・カールトンホテルがCU外販に成功した理由
インタビュー:ワークス研究所主任研究員 蒋麗華
I .自社プログラムと全く同じプログラムを外販する
―― リッツ・カールトンホテルは、従業員向けのCUプログラムの一部をまったく同じ内容で外部向けに提供されていると言われますがそのメリットは。
ロブ・ジョージ氏 写真
ロブ・ジョージ氏
(LCディレクター)
ジョージ 受講者の受講理由から、リッツ・カールトンのCUにとって必要な、様々なステークホルダーの視点を取り入れ、テーマを発見するためのヒントが得られることです。受講理由を参加者に聞くと、"顧客満足度の低下""事業内容の改善の必要性"といった理由があがります。よく聞くと、それらは参加者のみでなく、その企業の株主、親会社、従業員といった様々なステークホルダーの問題意識なのです。
II.導入企業のほとんどで、経営陣が受講していた
―― リッツ・カールトンホテルのCUプログラム(社内研修)はどのような企業が、どのようなことを学ぶために来ているのですか。
ジョージ 主な参加目的は、当社がどのようにして業務を行っているか、どのようにしてお客様のお世話にあたっているか、ということを学ぶことです。
―― 研修を受けるのはどんな立場の方ですか。
ジョージ 殆どが経営陣です。例外として、トップが受講した後に顧客サービス向上を決意し、それを具体化したい場合に、研修担当のマネジャーが受講するなどの場合があります。経営陣自身が研修を受けると、研修後にどう対応するかを理解していることが多いのです。
III.リッツ・カールトンホテルのCUはプロフィットセンターである
―― リッツ・カールトンはどんな環境でCUを運営されているのですか。
ジャミソン 社内でCUプログラムの受講が絶対条件ではありません。我々は外部の研修と競争しています。これは、CUのレベルの向上にも繋がっていると思います。ホテルが我々のプログラムサービスをいつも買ってくれるから心配ない、とのんびり構えているわけにはいきませんから、いつも最高のプログラムを提供するように努めることになります。我々のCUはプロフィットセンターです。
セオ・ギルバート・ジャミソン氏 写真
セオ・ギルバート・ジャミソン氏
(LC教育開発担当 ヴァイス・プレジデント)
多くのCUは100万ドルあるからこれを使ってくれ、と割り当てられたコストセンターです。当社では、この予算をあげるからこれを始めて欲しい、だがROIがなければいけない、と言われます。これができない時がきたら、会社もCUの存続に対して疑問を示すでしょう。
IV.CUの持続的成功には戦略との繋がりを示すことが必要
―― 市場での競争力維持と個人の能力開発をつなぐCUが目立っています。リッツ・カールトンもその一つだと思うのですが、それを成功させるうえで、最も重要なことはどんなことでしょうか。
ジョージ 価値を示すことだと思います。それは、内部研修のコスト削減メリット、ブランディングによる顧客からの信頼維持もあります。そして戦略計画があり、CUがそれをつなごうとする時、方向(方法)はどうあれ今行われていることが計画に貢献していることを示すことです。従業員、顧客、親会社、所有者、株主など、すべてのステークホルダーの満足を考慮し、CUが価値ある目的を達成するためのツールを与えることができているかどうかを、追求すべきです。
V .トップの心を捉え、熱意あるサポートを得る
―― 高品質のCUを設立するためには、開発について深い理解のあるトップが必要なのではないでしょうか。
ジャミソン トップ経営陣の参加は、CUの成功にとって重要な要素です。もし、リーダーの賛同が欲しければ、何人研修を受講するか、見た感じはどうかなどは重要な要素ではありません。ですから、私は「講座を5つ開設して、こうやって教えます」ではなく、「講座を5つ開設しますが、この戦略目標の達成にこうやって貢献します」とプレゼンテーションするのです。
インタビューを終えて

CUを調べているうちに、成功しているCUは転換期の中で、個人と組織の能力を同時に変革するしくみであることが見えてきた。また運営面では、かなりの運営費を投じているCUがある一方で、自社のCUコンテンツを外販することにより、内部CUの運営コストを低減しようというトレンドがあることもわかった。そうした代表事例がリッツ・カールトンであるということを知り、外販プログラムがどのような内容かを調べてみた。すると、同社の「最高のホスピタリティ・サービス文化の浸透能力」という独自の知的資本を扱う内容であった。同業他社が模倣し自社の競争優位性を下げる危険を犯してまで、いったいなぜ外販するのか?そこまでして内部CUのコストを低減しようとするのはなぜか? そこには、「これまで曖昧だった能力開発という機能を、より明確な価値として顕かにしていこう」とする試みがあった。(蒋麗華)
(2002年8月20日掲載)

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