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  Home > SPECIAL THEME > 雇われない働き方とは 2004年10月
 雇われない働き方とは? 個人事業主800人web調査
SPECIAL THEME Works Institute
リクルートワークス研究所
雇われない働き方とは?<第4回>
73.8%は前職から 事業に必要な知識・技能
〜個人事業主800人web調査から(3)
個人事業主として必要な知識・技能をどこで磨いて独立に至ったのか。職域ごとにデータを見ていくと「前職育成型」「独力型」という2つのパターンが見えてきた。前職育成型の代表は、「設計(機械・建築)」「システム開発・保守」「経営管理職」の職域であり、独力型の代表は、「営業販売」「保険代理」「専門職」などの職域だ。
文 ワークス研究所 笠井恵美 編集 五嶋正風
→「個人事業主(サービス業)の独立開業に関する実態調査2004」
報告書全文PDFデータはこちら
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正社員、管理職の立場で力を磨く「前職育成型」
個人事業主は、自らの知識・技能をどこで磨いてきたのだろうか? 今回はこの切り口でデータを見てみたい。現在の事業に関連した仕事の経験の有無を尋ねたところ、「あり」は 73.8%で、「なし」が 26.3%だった。職域別に見ると、図表1 のように結果に差が出た。「システム開発・保守」では「仕事経験あり」が 95.3%だが、「営業販売」では「仕事経験あり」は半数弱の 46.2%になっている。さらに、「仕事経験あり」の割合が全体平均より 5ポイント以上多い「設計(機械・建築)」「システム開発・保守」「経営管理職」の 3職域ではその経験年数が長く、5年以上に多く分布していた。

一方、「仕事経験なし」と答える割合は、4.7%から 53.8%までばらつきがあるが、すべての職域で出現している。

図表1 独立前の関連する仕事の経験と年数
図表1
(クリックで拡大)
9割が前職での経験を経て独立する職域も
独立したい職域での仕事経験は、独立の必須条件ではないといえる。しかし、「設計(機械・建築)」「システム開発・保守」「経営管理職」では、9割が前職で経験したうえで独立し、しかもその経験年数が他の職域と比べて長期間である割合が多い。つまり、事業に必要な知識・技能を前職で培ってから独立する形が一般的だといえる。

では、前職が影響すると思われる「設計(機械・建築)」「システム開発・保守」「経営管理職」について、独立前、どんな仕事に就いていたのかを理解するため、就業形態に関するデータを見てみよう。

図表2 にあるように、これら 3つの職域では、前職の最も長い就業形態が「正社員・公務員(管理職以外)」または「正社員・公務員の管理職」(全体平均より 5ポイント以上)であった。

たとえば、「システム開発・保守」は、独立までの間最も長く就いていた就業形態として「正社員・公務員(管理職以外)」と答えた割合が 69.2%と、全体平均 55.6%より 13.6ポイント高く、「正社員・公務員の管理職」に就いていた割合も 20.6%と、全体平均 13.8%より 6.8ポイント高い。

また、「経営管理職」は、「正社員・公務員(管理職以外)」は 55.0%と、全体平均とほぼ同率だが、「正社員・公務員の管理職」に就いていた割合は、全体平均より 21.2ポイント高い 35.0%である。勤務年数も、3つの職域では全体平均 8.3年よりおおむね約 1年から 9年長い。

図表2 独立前の職業のうち、最も長く就いていた職業と勤続年数
図表2
(クリックで拡大)
さらに、「正社員・公務員(管理職以外)」または「正社員・公務員の管理職」に就いていた場合の組織の規模を見ると、3職域で異なる特徴が出た(図表3 参照)。

「設計(機械・建築)」は、100〜1000人未満、1000人以上の規模の企業に勤めていた割合が多い。「システム開発・保守」は、10〜50人未満、50〜100人未満、100〜1000人未満、1000人以上と、ほぼ万遍なく分布している。

「経営管理職」は、10人未満、または 1000人以上の従業員規模の組織に就いていた割合が多い。

図表3 最も長く勤めた会社の従業員規模
図表3
以上から、「設計(機械・建築)」「システム開発・保守」「経営管理職」の 3職域では、規模は異なるものの、主に前職で企業の正社員や正社員の管理職として仕事経験を得て、知識や技能を磨いてきた「前職育成型」であることが分かる。

実社会の中で必要な知識・技能を学ぶ「独力型」
では、「設計(機械・建築)」「システム開発・保守」「経営管理職」とは全く逆の、前職の仕事以外で知識や技能を培っている「独力型」パターンはどうだろうか。図表4 は、独立前に関連する仕事の経験がない場合の知識・技能習得方法を自由回答で尋ね、その結果を集計したものである。独学が圧倒的に多く、44.4%となっている。

「仕事経験なし」で独立する傾向の強い上位 3つの職域(図表1 参照)、「営業販売」「保険代理」「専門職」について、自由回答を列記したのが、図表5 である。

図表4 独立前に関連する仕事経験がない場合の知識・技能習得方法
図表4

(クリックで拡大)
図表5 独立前に関連する仕事の経験がない場合の知識・技能習得方法(自由回答)
「保険代理」は、圧倒的に研修制度を活用して知識・技能を習得したという回答が多い。保険業界では代理店研修制度が一般的であることが、この回答結果の理由だ。

一方、「営業販売」や「専門職」は多様な習得方法が選択されていることが分かる。傾向として、「正式な学習プログラムのある学校に通って」という割合が少なく、「知人から」「業務を通じて」というように、実社会の中で習得するケースが多い。「クリエイティブ」や「士業」といった職域では「学校に通って」という割合が多い(図表4 参照)ことと比較すると、「営業販売」「専門職」は、学校を通じた技能の一般化という社会的な枠組みがない職域における知識・技能の習得スタイルともいえる。

以上、知識や技能を前職から得る「前職育成型」3職域と、独学などから得る傾向の高い「独力型」3職域について詳述した。独立開業できる力をどう身につけるかについて、あらゆる職域に通じる公式があるかは不明だが、職域ごとには、職務の特性や業界構造からの規定と、本人独自の取り組みの傾向という 2つの法則に導かれた育成ステップがありそうだ。
(2004年10月7日掲載)

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