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  Home > SPECIAL THEME > 雇われない働き方とは 2004年6月
 雇われない働き方とは? 個人事業主800人web調査
SPECIAL THEME Works Institute
リクルートワークス研究所
雇われない働き方とは?<第2回>
雇われない働き方「自ら進んで」は75.0%
〜個人事業主800人web調査から(1)
企業に雇用されない働き方は実に多様だ。「顔のない仕事」(軽作業現場などに派遣される日雇い仕事に代表される、人とのつながりを持ちにくい仕事)のような働き方もあれば、「Individual (個人)の価値基軸で意思決定し、組織からIndependent(独立)に活動し、Inter−Company(会社の垣根を越えて)に働く」働き方も存在する。『フリーエージェント社会の到来』著者のダニエル・ピンク氏は、米国の労働人口の 4人に 1人がフリーエージェントだと指摘するが、日本もそのようになるのだろうか。正規労働者(フルタイム)が減少し、週末起業に注目が集まる中、雇用されない働き方の実態を探ろうと、昨年から今年にかけて個人事業主 800人にアンケート調査を実施した。どんな仕事を選んでいるのか、何を大切にし、どんな働き方をしているのか、取引先はどのようにして得ているのか、事業は黒字か赤字か、どのようなネットワークを構築しているのか、どんなことに悩み、何に喜びを感じるのか。日本の雇われない働き方をめぐる現状と、そこから見えてくる未来を、連載で報告する。
文 ワークス研究所 笠井恵美 編集 五嶋正風
→「個人事業主(サービス業)の独立開業に関する実態調査2004」
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どのくらいの人数がいるのか
「収入に関する不安はあるが、自ら生き方を決められる今の仕事の形態は充実していると思う」。
「企業で働いていたころの規律やしつけが今では懐かしい」。
これらはアンケート調査に雇われない働き方、個人事業主の働き方の実感として記された言葉である。

「雇われない働き方」という定義は、法律上、統計上のものではない。今回の記事を含めて、企業に雇われて働く従業員の対立概念として使われる言葉である。株式会社や有限会社のように法人化をしているか否かにかかわらず、ほとんど自分一人で事業に取り組む働き方を指す。

統計用語では、「自営業主」や「個人業主(個人事業主)」、または「従業員 4人以下の企業の経営者」という名称になり、おおざっばに、非農林業では約 500万人が雇われない働き方を選択していると見られる。日本の労働者(非農林業)5586万人の 9%にあたる。

また、「インディペンデント・コントラクター(IC、複数の取引先と契約を結ぶ独立契約者)」や、少々専門的になるが、「自己雇用者(国民生活金融公庫総合研究所による定義。本人のみ、もしくは本人と家族のみで稼働している個人事業主のことで、自営業的側面と同時に自分自身を労働力としている点で自己雇用者と称す)」といった言葉も、「雇われない働き方」を指す言葉として存在する。

「SOHO」や「週末起業」も
「SOHO」や「週末起業」も、「事業所ではなく自宅で」「大規模でなく小規模で」「フルタイムではなく週末の時間で」働くという、企業勤めではない、雇われない働き方に類する働き方だ。これらの働き方の場合、派遣契約や副業(本業は被雇用者など)で働いている者も少なくない。とすると、雇われない働き方 500万人の数はさらに増えることになる。

では、雇われない働き方を選択している人々には、どのような傾向、タイプがあるのだろうか? 今回の調査では、組織に雇われて働くことへの抵抗感を聞いた。その結果は、「(抵抗感が)ある」55.0%「ない」20.9%だった。また、独立開業の決断については、「自ら進んで」75.0%「やむなく」25.0%だった。つまり、雇われない働き方をしている人の 4人に 1人は「雇われてもいい」と思っているし、「独立開業も、やむなくの結果」であったといえる。

5つのタイプが存在する
さらに、雇われない働き方を選ぶ人のタイプを分析してみよう。「事業規模を大きくすること」「能力や専門性が生かせること」「顧客や関係者に喜ばれること」など、事業や仕事での重視項目(19項目)についてその重視の度合いを尋ね、その結果をもとにタイプ分類(クラスター分析)をした。重視する 19項目は、雇われない働き方であることに自覚的で、かつその働き方に満足度が高く、業績もそれなりに築いているという、モデルともいえそうな層に対し、彼らが重視していることをヒアリングし、抽出した項目である。

結果は、以下の 5つのタイプに分けられる。

図表 雇われない働き方の 5タイプ
※赤字は、特に高い数字または低い数字。
タイプ1:
起業家タイプ
タイプ2:
専門追求タイプ
タイプ3:
雇われたいタイプ
タイプ4:
準起業家タイプ
タイプ5:
準専門追求タイプ
特徴 「事業経営ができること」「新しい仕事に挑戦すること」「自分の社会的評価が高まること」「利益を最大化すること」を重視する傾向が強い。 「納得できる仕事であること」「顧客や関係者に喜ばれること」「自分の能力や専門性が生かせること」「仕事を通じて、自分の能力や専門性が高まること」を重視する傾向が強く、逆に、「事業規模を大きくすること」「仲間と一緒にできること」は重視しない。 ほとんどすべての項目について、重視度が低い。「やや重視する」に近い項目は「生活できる収入(個人の所得)を得ること」「収入(個人の所得)を安定させること」の 2つのみ。 タイプ1 の傾向に近いが、タイプ1 ほど、各項目を強く重視はしていない。 タイプ2 の傾向に近いが、タイプ2 ほど、各項目を強く重視はしていない。
出現率 26.9% 19.0% 8.3% 20.5% 25.4%
会社など組織に雇われて働くことへの抵抗感
(5:とてもある 4:ややある 3:どちらともいえない 2:あまりない 1:まったくない)
3.81
3.32
2.91
3.59
3.48
独立開業の決断 自ら進んで 82.3% 78.3% 56.1% 74.4% 71.4%
やむなく 17.7% 21.7% 43.9% 25.6% 28.6%
5タイプの中には、起業家や専門追求といった従来の独立開業、雇われない働き方のイメージに合うものもあれば、雇用に近い、雇われたいタイプも出現している。「雇われたい」タイプは、唯一、会社など組織に雇われて働くことへの抵抗感の平均値が 2.91と、「あまりない:2」に近く、また独立開業の決断も「やむなく」派が 43.9%とほかのタイプに比べ非常に多い。

準起業家、準専門追求タイプに注目
注目すべきは、タイプ4 準起業家タイプとタイプ5 準専門追求タイプの存在である。それぞれ 20.5%と 25.4%で、合計で 45.9%とほぼ半数を占める。この層は、「会社など組織に雇われて働くことへの抵抗感」はタイプ1 や 2と同様にあるものの、雇われない働き方において重要視される 19の項目については、タイプ1、2ほど強くは意識せず働いている。独立開業の経緯を聞くと、フランチャイズシステムを利用したり、友人知人に誘われて独立したりするケースがほかのタイプより若干多い。また、独立準備活動期間が比較的タイプ1、2よりは短めだという特徴がある(詳しくは、エクセルデータ資料:「雇われない働き方 5つのタイプ」参照)。

以上をまとめると、「雇われない働き方」には、中庸層ともいうべき半数弱の層(タイプ4、5)、エッジの立った起業家(タイプ1 26.9%)および専門追求(タイプ2 19.0%)層、そして、本来は被雇用者でありたかったかもしれない層(タイプ3 8.3%)という 3層があるといえる。

「雇われない働き方」をどんな人たちがしているのか、理解いただけただろうか。次回は、雇われない働き方の代表的な仕事内容や、事業の運営状況を見てみたい。


→「個人事業主(サービス業)の独立開業に関する実態調査2004」
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(2004年6月16日掲載)

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