| Home > SPECIAL THEME > 知的資本経営とHRM 2002年10月 > ポイント解説 |
| 「知的資本経営におけるHRMのあり方」プレゼン内容のポイント解説 | |
リクルートワークス研究所 |
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このシンポジウムでは知的資本経営に求められる人材マネジメントとはいかなるものであるかが検討された。知的資本経営とは社内外の知的資本の科学的なマネジメントにより、持続的競争優位性と収益性を高める経営の方法論だ。背後には知的資本とその活用程度が経営上最も重要だという考えがある。知的資本を開発、活用するのは全て人である。このことから当然HRMに求められるものも従来とは異なってくる。そしてその中心は知的創造だ。3人のプレゼンテーションのポイントを、私たちなりの視点で解説する。知的資本経営とHRMの関係を理解する一助としてほしい。 |
| (ワークス研究所 ICM−HRM研究チーム) |
【ヨーラン・ルース氏】 プレゼンテーション詳細 |
ヨーラン・ルース氏は戦略論の立場から知的資本経営の概論とHRMへの要望を示した。その中でも圧巻なのは知的資本によって事業の構造を描く技法Navigatorについての部分であろう。氏は持続的競争優位を生む知的資本の特徴を挙げている。その上で各知的資本の収益までの連鎖の道筋を描く。これは知的資本を存在するだけでは意味が無く活用されて初めて意味があるとする考えに基づく。一見バランス・スコアカードと似ているが持続的競争優位の源泉の構築を志向すること、各知的資本の投資効率をチェックするなど明確な違いがある。この辺りを確認しつつ読まれると戦略としての知的資本経営の理解がより深まるのではないだろうか。そして上記観点からHRMへの期待が示された。 |
![]() ヨーラン・ルース氏
インテレクチュアル・キャピタル・サービシズ社CEO
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【内田 恭彦】 プレゼンテーション詳細 |
![]() 内田 恭彦
リクルート ワークス研究所 主任研究員
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内田は日本企業に対して実施した知的資本経営コンサルティングのケースを基に知的資本経営とHRMとの関係を示した。ここではケースより明らかになった事象の考察から知的資本経営には短期と長期のテーマが別個に存在し、それらに対応すべくHRMも短期テーマと長期テーマが存在するということが示された。特に注目に値するのが知的資本は環境が変化しても用途を変えることにより効用が持続するという特徴に目をつけ、そこから長期的ICMの必要性を明らかにし、長期的なHRMのテーマが詳細に導き出されたことだ。この弁別によりHRMには長期的なテーマ、短期的なテーマという2つの異なったものを同時に追求することが求められることが明らかにされた。HRM研究者にとってのインプリケーションとしてはHRM施策の従属変数の設定、および独立変数−従属変数間関係の説明の在り方に関わってくるだろう。 |
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【守島 基博氏】 プレゼンテーション詳細 |
守島氏は組織のHRMにより知的創造性というものが如何にして形成されるのかについてのフレームワークを提示した。これまでの人材マネジメント研究が「与えられた(確実性の高い)課題を処理する」人材を前提としていたが、今後の人材の組織への貢献はむしろ「不確実性の高い課題の処理」や「知識創造」に移行している。このことに対応した人材マネジメント研究が必要だという認識が背後にある。この報告では組織としての知的創造性がどのようにして生まれてくるのかについてその要素と道筋が明確にかつ包括的に描かれており、これが今後の人材マネジメント研究者、および実務家の思考の出発点となるものであろう。ポイントは個人の創造性を高める施策と組織のそれを明確に区分されていることだ。途中この観点から成果主義に対する疑問が提示されたが、非常に示唆に富むものだ。是非とも実務家の方はこのフレームを用いて自社の人材マネジメント施策について検討して頂きたい。 |
![]() 守島 基博氏
一橋大学大学院 教授
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