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  Home > SPECIAL THEME > 知的資本経営とHRM 2002年12月
 知的資本経営で事業再構築への道筋描く
SPECIAL THEME Works Institute
リクルートワークス研究所
知的資本経営で真の事業再構築への道筋を描く - 「リストラ、次の打ち手は?」に向けたワークス研セミナーをリポート
リクルートワークス研究所は12月5日、「知的資本経営による、競争力と収益力の向上」と題し、企業の人事・経営幹部向けセミナーを開催した。セミナーには14社が参加。人的能力やブランド、顧客関係など目に見えない知的資本をいかに蓄積、活用し、業績向上を実現するかという方法論に耳を傾けた。知的資本に注目することが、なぜ今の日本企業に必要なのか。目に見えない知的資本をどうやってマネジメントするのか。そして知的資本経営と人材マネジメントをどう関係付けるのか。これらの疑問への回答が示された、セミナーの概要を伝える。。
ワークス研究所 五嶋正風
なぜ今、知的資本経営なのか
最初に内田恭彦主任研究員が「知的資本経営の考え方」というテーマでプレゼンテーションした。
日本企業が今抱える課題として「中国のコスト競争力への対応」「急激な技術革新への対応」などを挙げた。これらの課題対応に失敗した例として、ある家電メーカーを引き合いに説明。「デジタル家電開発が遅れたのは、基盤技術の変化への対応力の不足。マレーシア進出の優位が競合の中国進出で崩れたのは、他社が絶対マネできないノウハウがなかったことを示す」と、知的資本への配慮が足りなかったことを指摘した。

内田恭彦主任研究員 写真
また、「今はリストラの次に真の事業再構築を競うとき」だと話した。これらの状況を踏まえ、収益性向上のために何をするか、長期的事業発展力をどう築くか、ビジョン、戦略をどう具体化するかが問題の所在で、これらの問題解決に知的資本経営の考え方が活用できることを強調した。
知的資本の分類
知的資本の分類の図
次に知的資本を、組織資本、関係資本、人的資本に分類した。これら知的資本の効果的な開発、調達、活用を意図的にマネジメントし、持続的な競争優位性を築き、業績向上を目指すのが「知的資本経営」だと定義づけた。
蓄積、変換の関係を明らかに
フローとストック関係図の例
※球はストック、矢印はフローを示す (クリックすると拡大図が開きます。)
また知的資本には蓄積(ストック)と、「教育制度で蓄積した専門知識から、優れた生産管理技術を生み出す」というように、ある資本から別の資本への変換(フロー)があることが示された。こうした知的資本のフローとストックのつながりを描くことで、事業全体が、どのように収益を生むかが明らかになると解説した。
フローとストックに注目する効用について、知的資本のつながりを各社員が理解することで部門間の連携が進み、各部門の活動がかみ合うこと、事業全体における知的資本のつながりの中で、どこがボトルネックか特定できることの2点だとした。
「わが社のコア」を明確にするメリット
続いてコアとなる知的資本(コアIC)について言及した。コアICとなり得る知的資本の特徴として「価値がある(その資本で利益が挙がる)」「希少である」「模倣が困難」の3点を示した。コアICに注目する効用としては、コアでない部分が明確になり、資源配分の選択と集中が可能になることを挙げた。また、例えば高い品質管理ノウハウがコアICとしてあれば、それを基に品質の良い製品を作るだけでなく、ブランド構築に活用するというように、さまざまな転用が可能で、安定的な競争力の源泉にできると話した。
技術革新と性能の関係
※斜線部分は新技術より既存技術が高性能
さらに、新技術は開発された当初、既存技術より性能が低い傾向があり、それが変化への抵抗につながることを指摘。将来必要になる知的資本を明らかにすることで、持続的競争力向上が可能になることを示した。見えない知的資本を計測可能にするための管理指標作成についても、方法論と考え方を説明した。
知的資本経営を推進する人材マネジメント
最後に知的資本経営と人材マネジメント(HRM)の関係を説明した。短期的視点では資源配分における人材の配置、役割設定における各部署の役割認識の醸成、組織的学習の支援などがHRMの施策として考えられると述べた。
長期的視野ではコアIC構築のための人材調達や育成、変革力の構築に関してリーダー層をはじめとする人材育成や、変化に対し能動的な企業文化の醸成、企業の統合力構築に向けたビジョンの共有や、共通言語の整備などがHRMの役割となることを説明。「長期雇用の人材が果たす役割を明確にするためにも、知的資本への注目は重要」と強調した。
続いて吉川克彦研究員が知的資本経営のフローやストックのつながりを明確にし、あるべき姿を描いたうえで、最終的には具体的な人材マネジメント施策まで検討するワークス研究所の商品「IC−PROCESS」の詳細を説明した。
質疑応答では「部門ごとの目標管理やコンピテンシー重視と、知的資本経営の関係は」という質問に対し、内田主任研究員は「部門ごとの目標管理が縦割りなら、知的資本経営の考え方は部門横断で横ぐしを通すようなもの。変化が急で、戦略が複雑化する現在は、他部門と自分たちの仕事のつながりも理解する必要がある」と答えた。
(2002年12月6日掲載)

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