| Home > SPECIAL THEME > ワークス博士に聞く 人材マネジメント調査「ここがポイント」第1回 |
| それでも軽視できない「新卒採用の意味」 人材マネジメント調査「ここがポイント」 | |
リクルートワークス研究所 |
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企業の人事や経営の未来に関する研究に日々これ努め、「人と組織」に関する蘊奥をきわめたワークス博士。ある日、その研究室に、かつての教え子で今はX社の人事で働くR君が訪ねてきた。
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こんにちは、ワークス博士。最近ちょっと小耳に挟んだのですが、博士のところで、これからの人材マネジメントを考えるうえで、とても参考になる調査をされたそうですね。 |
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おー、久しぶりだな、R君。それは日本の主要企業 2万社を対象とした「人材マネジメント調査2003」といって、今回で 3度目の調査なんだ。 |
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X社でも成果主義の導入から始まり、人材の採用や育成を抜本的に見直し、非正社員の活用策など課題が山積です。そこでお願いなんですが、どうかその調査のポイントを私に分かりやすくご教示願えないでしょうか? |
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もちろんいいとも。君のような立場の人に活用してほしい調査だからな。とはいっても、膨大な調査だから短時間ですべて解説するのは無理というものだ。テーマを 5つに絞り、5回の短期集中講義ということにしようと思う。 |
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それはありがたいです。 |
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| 新卒採用に満足している企業が多い | |
今回は第 1回講義として新卒採用について話そう。まずこの表から見てほしい(図表1-1「人材マネジメント部門が認識している企業課題」)。企業がこれからの人事で何を重視しているかだが、ご覧のように、筆頭は「次世代リーダーの育成」、次に「若手社員の早期戦力化」「組織や風土の変革」と続き、「採用力の強化」は 8番目になっている。 |
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リストラ、減量経営で新しく人を雇い入れる余裕がないということですね。 |
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この調査は 2003年に実施したもので、最近は景気が上向きになり、来年の新卒採用数を増やす計画の企業が増えているから、その点は割り引いて考える必要がある。 では企業がなぜ「採用力の強化」を今後の重要課題とあまり認識していないかというと、「新卒採用に関する満足度が非常に高い」という事情がある(図表1-2「新卒採用に関する満足度」)。これで「非常に満足」と「満足」を足した合計は 65%を超える。業種別に集計したデータもあって、金融・保険業では 80%近くが満足と答えている。対照的に中途採用の満足度は全体で 46%と、相対的に低くなっているんだ。 |
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| 「人材要件の明確化」が採用満足に直結 | |
満足すべき結果が得られているから、深刻な課題ではないということなのでしょうね。厳選採用で買い手市場という状況を反映しているともいえますね。次に問題になるのは、採用満足度の高い企業と低い企業で、採用にどんな違いがあるのかということです。 |
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ちゃんと調べているよ。キーワードは「人材要件の明確化」だ。採用にあたっては、どんな人材が欲しいのかを明確にしたうえで、その判定基準を決め、選考を担う人がそれらを共有することが大切なのは明らかだが、それを実行しているか否かで、採用の満足度に 10ポイント以上の差が出てくるんだ(図表1-3「人材要件の明確化と新卒採用満足」)。 |
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よく分かります。目標があいまいなままでは、満足する結果が得られるはずはないですから。最近はネットやインターンシップなど、以前と比べ、採用手法自体も様変わりしていますが、そういう面でのポイントは何かありますか。 |
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うん。新卒採用の情報提供手段について聞いてみたところ、インターネットを活用し、会社説明会を実施している企業がそれぞれ 85.1%、83.5%と 8割を超え、紙メディア 47.5%、インターンシップ 20.2%と続いている。インターンシップは、瞬く間に随分メジャーになった感があるね。 |
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| 次世代リーダーは新卒採用から | |
一方、ネットの普及により、採用活動は人と人との生身の接触機会がずいぶん減ってきた。コストと効率追求のためには仕方ないが、それが満足すべき採用結果を招いているのかは不明であるのも事実。もしかしたら、昨今問題視されている入社後のミスマッチにつながっているのかもしれない。そこで、採用情報の提供方法を、バーチャル(紙およびネット)、セミリアル(説明会やイベント、ネットによる双方向コミュニケーション)、リアル(OB・OG面談やインターンシップ)と 3種類に分け、それらの組み合わせいかんにより、採用満足度にどんな違いがあるか調べてみた。その結果が図表1-4「バーチャルとリアルの組み合わせと採用満足」だが、ご覧の通り、リアルの重要性が立証される結果が出た。 |
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X社でも遅まきながらインターンシップを実施していますが、それぞれの行動特性がとてもよく分かりますね。直接、採用につなげるところまではまだいきませんが(笑)。 |
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バーチャルやセミリアルでは会社の客観的な情報、リアルでは、より人に密着した、働く場の情報というように、それぞれの特性に応じて、提供する情報を使い分けよということだな。 ところで新卒者を企業が採用する理由を調べると、「自社の競争優位を支える人材の確保」がトップになっている。また 2番目には「企業文化を浸透させやすい白紙の人材」という理由が挙がる。企業文化を体現し、競争優位を実現する人材とは、すなわち「次世代リーダー」ともいい換えられる。図表1をもう一度見てほしい。お分かりのように、これら 2つの理由は、実は「次世代リーダーの育成」という、企業が今最も重要であると認識している課題を別の角度からとらえたものなのだ。そういう意味では、新卒採用は今後の日本企業にとって、まことに重大な課題だといわざるを得ないのだ。 |
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おっしゃる通りですね。 |
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新卒採用に関してはこれで講義おしまい。次回は若手社員の育成について講義しよう。 |
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わかりました。今日はありがとうございました。 |
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(文:荻野進介 構成:五嶋正風) |
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人材マネジメント調査2003の詳細な報告書はこちら これからの人材マネジメントのあり方を模索し、将来像の提案に資する基礎調査として 2001年から実施し、今回が 2回目。調査対象は。全国の企業 2万社の人事責任者、担当者。回収数は 1168社(回収率 5.8%)。調査時期は 2003年 6月 2日〜 7月 31日。 |
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| ◇ 人材マネジメント調査「ここがポイント」 目次 | |
| その1 それでも軽視できない「新卒採用の意味」 | |
| その2 若手社員は期待通り育っているのか | |
| その3 「雇用の多様化」は進んでいるか | |
| その4 効果は測られているか 能力開発 | |
| 最終回 よき人材マネジメントは高業績に通ず | |
| (2004年6月4日掲載) | |
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